リップヴァンウィンクルの花嫁 岩井俊二をレビューしました

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岩井俊二

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宮城県仙台市出身の映画監督。

 

代表作は「スワロウテイル」や「リリイ・シュシュのすべて (角川文庫)」など。

 

脚本家として活動する際、網野酸(あみのさん)というペンネームを使用することも。

リップヴァンウィンクルの花嫁 岩井俊二 レビュー


リップヴァンウィンクルの花嫁』 岩井俊二

 

本物の幸せって、なんだろう。

 

あなたは、自信をもってこの問いの答を紡げますか?

 

 

いろんなものが、たくさんの人の努力によってどんどん便利になってきた現代。

 

その便利さは私たちに数多くの利点をもたらしてきたが、その中で私たちはなにか大事なものを失くしてはいないだろうか。

 

 

SNSというツールの発展が世の中に与えた影響はとてつもなく大きなことだろう。

 

かつては、人の手によってつながれていった紙に書かれたメッセージがいつのまにかボタン一つで届けたい相手に一瞬で届けられるようになった。

 

こういった進歩は、道を違えた仲間たちやはなればなれになった人々を結びつけるのに大きな役割を担ってくれたのには間違いはない。

 

その反対側の面に私たちは気付けているだろうか。

 

かつての煩わしいとももどかしいとも思わせる手間と時間が与えてくれていた温かみは、ワンクリックという手軽さにより奪われていったという現実に。

 

 

告白されたから付き合う。

 

なんだか、こんな理由で交際を始める男女が多いように思う。

 

自分以外の人の生活がより見えるようになった社会が、私たちに与えたのは優越感と劣等感の気がする。

 

情報はあふれかえる世界では、本来の自分の姿さえも見えにくくなり、本当に大事にするべきものさえもいつのまにか埋もれてしまい見えなくなっていく。

 

責任をともなわなくてもいいと錯覚しがちな、いや本当にそうなのかもしれないヴァーチャルの世界では、言葉は本来の意味を失くし空虚なものとなり粗大ごみと化して本物への道を妨げている。

 

大事なものを見えなくしてしまっている。

 

そうして、人々は重みなんて一グラムもない無責任な言葉に傷つけられ、惑わされ、また新たな傷を己に、あるいは大事にするべきであった人に刻み付けていっているように思う。

 

 

いま、社会では、あらゆる面でボーダーレス化が起こっているように思う。

 

それでも、あれはいいけどこれはだめ、と何が根拠になっているのかはわからない線は頑固に残っている。

 

なにが基準になっているのか、それを理解している人はどこにいるのだろうか。

 

簡単に自分の意見が述べることができるようになった社会は、遠い昔を生きた人からすれば理想の社会だったのかもしれない。

 

じゃあ、その遠い昔の人たちの夢を叶えたのだから私たちは歩みを止めていいのか、いや、止めていいはずがないのだ。

 

いつか、誰もが本当に意味で自由に自分らしく生きていくためには、一人一人が自分を強くもって生きていかなくてはならないのだと思う。

 

世間がそれは認められないといっても、必要とされない人間なんてこの世には一人もいないのだから。

 

多数の意見に流されずに生きること、見得を気にせずに生きていくこととは言葉でいう分にはとても簡単であるが、それを実行に移すことはとても勇気のいることである。

 

実際はなにがなんだかわからない世間というものの目を気にして、綿自信を含んだ多くの人々は生きているけれども、確かな自分を新年を守るために、逆境のなかでも強風暴雨のなかでも自分の足で立ち上がり、踏ん張り続け、その手を高く空にかざしながら大声をあげて叫んでいる人がいることに私たちは気付かなくてはならない。

 

そうして、その姿を視界にとらえたとき、指をさして嘲笑うのではなくて、自分自身の中に眠る確かなものに目を向けその背に続かなくてはならないのだと思う。

 

 

この小さな幸せを気付かせてくれる優しい物語は、情報の洪水のなかから確かなものを、本物を選びつかみ取ろうとする手を助け、己の信じた道を進もうとする背を押し、進むべき道を照らす灯りとなると思う。
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