実は超絶簡単なビットコインの仕組み
ビットコインは難しいと思いがちですが、実際にはかなり単純です。
前半は暗号資産(仮想通貨)をわかりやすいようにたとえ話で紹介します。
後半は専門用語を使いまとめてあります。
100人中100人が理解できるはずです。
暗号資産とは
ビットコインは次の4つで成り立っています。
ビットコイン(柔らかく自由に分割できる「金」を想像すると分かりやすい)、銀行、財布、暗証番号です。
2009年にビットコインが地下深くに眠っていることが発見され、その埋蔵量は2100万BTCだと判明。
ビットコインは「金」と同じように埋もれていて、採掘して初めて手に入れることができます
まだ誰にも注目されていなかったビットコインですが、一部の採掘マニアたちがビットコインを採掘し始めます。
ビットコインがどんどん有名になり、採掘する人たちが急増、2100万BTCのうち、1900万BTCが採掘されます。
しかし、ここで問題が発生します。
採掘したビットコインを保管できるのは、ビットコイン専用の銀行だけです。
しかも、そのビットコイン銀行に金庫は1つだけ。
せかっくビットコインを採掘しても、銀行内で他人のビットコインと自分のビットコインが混ってしまいます。
そこで、誰が採掘したビットコインかわかるように、銀行内に財布を作りました。
財布に番号(アドレス)を付け、財布にアクセスできる暗証番号(シークレットキー)を設定します。
こうすることで、銀行に保管されているビットコインが誰の物かを管理することができるようになりました。
ビットコイン銀行内の財布は実際に誰でも自由に作成できます。
通常の銀行は、免許証や印鑑などが必要ですが、ビットコイン銀行は不要。
実際に、財布作成ビットアドレスにアクセスして、マウスをぐるぐる回せば、財布の作成完了です。
すると、下のような画面になります。
左が財布(アドレス)、右が暗証番号です。
アドレス:1A4NwVt4v8HaYWFhdFf9wmZ7pRVypYAPqK
暗証番号:L5n4PViL5hzdmfGj5qWKibASrjEgLFfdVA5RQhGV3wGsPkBogkVk
ビットコインを採掘した人たちは、ビットコイン銀行内の財布に、各自のビットコインを保管しました。
ビットコインは、ビットコインとそれを預ける銀行、財布(アドレス)、暗証番号だけで成り立っているのです。
簡単ですよね。
ビットコインが有名になり始めると、ビットコインを欲しい人が増えてきました。
ビットコインが埋まっている採掘場は誰でも気軽に行けます。
採掘しようと思えばだれでも可能です。
しかし、採掘場は激戦地。
初めは素手で掘っても見つかったビットコインですが、スコップで掘る人が現れ、その次にショベルカーが現れます。
ついには、巨大油田システムのような機材まで登場し、個人が素手で気軽に採掘できる状況ではなくなりました。
ビットコインが欲しい、でも採掘できないとなれば、お金でビットコインを買えばよいのです。
そこでビットコインを気軽に購入できる取引所が開設されます。
日本でもビットコインの取引所が開設されました。
それがコインチェック。
採掘したビットコインが売られていて、ビットコインを誰でも購入することができます。
取引所ができたおかげで、ビットコインをお金で買うことができるようになり、また、ビットコインを頑張って採掘してそれを販売することができるようになりました。
取引所のおかげで、ビットコインの売買が簡単になりましたが、問題も発生します。
ビットコインが保管できるのは、ビットコイン銀行の中にある財布だけ。
そこで、ビットコイン銀行の中の財布を取引所に作ってもらい、財布のアドレスと暗証番号の管理も取引所におまかせすることでこの問題は解決しました。
これが、取引所の口座開設です。
ビットコイン銀行に入った財布のアドレスと暗証番号の管理を取引所に任せますよ。
ただし、ちゃんと安全に管理してくださいよ。と口座を開設します。
取引所に口座を開設すると、ビットコインの売買が可能になります。
取引所ではビットコインを買いたい人と売りたい人が集まっていて、自由に売買できます。
この売買によって、現在のビットコインの価格が決まるのです。
ビットコインのセキュリティ
取引所が私たち財布のアドレスと暗証番号を管理していますが、この情報が漏れてしまうことがあります。
これが不正アクセスです。
取引所が管理していた、自分の財布のアドレスと暗証番号が盗まれるのです。
先ほど、マウスをぐるぐる回して作った財布は、アドレスも暗証番号も自分だけが管理するので安全です。
アドレスと暗証番号を紙に書き写しておけば、パソコンがハッキングされても安全です。
暗証番号を手に入れなければ、絶対にビットコインを財布から出すことができないからです。
ビットコイン銀行のセキュリティは完璧で、財布のアドレスと暗証番号が無ければ絶対にアクセスできません。
世界中のどんなに最強のハッカーが、ビットコイン銀行に不正アクセスしようと頑張っても不可能です。
この仕組みがブロックチェーンであり、そもそもビットコインが有名になった理由は、このセキュリティの高さなのです。
実際に、ビットコインが誕生した2009年から現在まで、ビットコイン銀行は一度も不正アクセスを許していません。
いやいや、しょっちゅうニュースで不正アクセスやってるじゃん!と思うかもしれませんが、それは取引所に対する不正アクセス。
取引所に預けていた、ビットコイン銀行にアクセスするための財布のアドレスと暗証番号が流出してしまうことで、ビットコイン銀行に第三者がアクセス可能になってしまう事件です。
言い換えれば、財布のアドレスと暗証番号が流出しなければ、絶対にビットコイン銀行にアクセスはできません。
ビットコイン銀行は最強なのです。
そこで、ビットコインを長期で保有するときは、自分でアドレスと暗証番号を管理します。
これが、ペーパーウォレットと言われるものです。
ペーパーウォレットいうと、紙に財布が入っているかのように錯覚します。
しかし、先ほどから紹介するように、財布はビットコイン銀行の中だけにあります。
ペーパーウォレットは、財布のアドレスと暗証番号を書き留めるだけのものです。
マウスをぐるぐる回すと、アドレスと暗証番号が生成されて、ビットコイン銀行の中に財布ができます。
アドレス:1A4NwVt4v8HaYWFhdFf9wmZ7pRVypYAPqK
暗証番号:L5n4PViL5hzdmfGj5qWKibASrjEgLFfdVA5RQhGV3wGsPkBogkVk
この文字の羅列さえ流出しなければ、不正アクセスは起こりえません。
この英語の羅列、暗記できるならそれでOK。暗記が無理なので、紙に書き写したものがペーパーウォレット。
いちいち手入力が面倒くさいので、英語の羅列をQRコードに変換して、スマホで読み取れるように工夫されています。
ただし、これにも問題があります。
ビットコインは、アドレスと暗証番号がすべてです。
この二つどちらかを忘れてしまえばビットコインは二度と戻ってきません。
印刷した紙が燃えてしまえば、誰も財布にアクセスできなくなります。
そこで、Ledger Nano SというUSBが登場します。
財布のアドレスと、暗証番号をUSBに保存しておくのです。
万が一USBを紛失しても、復旧キーなるものがあるので、ビットコインを失うことはありません。
長期保管する人がLedger Nano Sを利用するのはこのためです。
透明な匿名性
誤解されがちなこと。
ウォレットを開設するという言葉が使われますが、これは誤解が生まれやすい言葉です。
例えば、取引所にウォレットを開設すると聞くと、取引所のウォレットにビットコインが入っているように感じますが、実際にはビットコインはたった一つのビットコイン銀行に存在するだけです。
そして、財布はビットコイン銀行内にしか保管できません。
取引所に財布は存在せず、財布の場所を示すアドレス、そしてその財布を開けるシークレットキーを取引所に保管しているという意味です。
財布はビットコイン銀行内だけに存在します。
ビットコイン銀行は非常に透明性が高く、銀行内の各財布にどれだけビットコインが入っているか、だれでも閲覧可能です。
実際にブロックエクスプローラを使えば、ビットコイン銀行内の財布を覗き放題です。
サイトを開き、財布の場所を示すアドレスを入力すればその財布にどれだけビットコインが入っているか確認できます。
例えば、冒頭に財布を作り、アドレスと暗証番号をメモしたので、アドレスを入力します。
アドレス:1A4NwVt4v8HaYWFhdFf9wmZ7pRVypYAPqK
すると、残高0 利用履歴0と表示されます。
財布がビットコイン銀行(ブロックチェーン)だけに存在するので、だれでも残高と取引履歴をチェックできます。
これだけオープンなシステムなのに、なぜ安全なのでしょうか。
お気づきの通り、財布を開けるには暗証番号が必要で、それがシークレットキーのL5n4PViL5hzdmfGj5qWKibASrjEgLFfdVA5RQhGV3wGsPkBogkVkというわけです。
言い換えれば、アドレスは皆に公開しても良い情報で、シークレットキーは自分だけが記憶する必要があります。
では、なぜビットコインの匿名性が高いといわれるのでしょうか。
先ほど作った財布。ビットコイン銀行内の1A4NwVt4v8HaYWFhdFf9wmZ7pRVypYAPqKという場所に保管されていますが、この財布は誰が持っているのかどこにも情報がありません。
個人と財布を結びつける情報は一切存在しないのです。
これが匿名性が高いといわれる理由です。
ここでまた一つ疑問が生まれます。
財布の持ち主がわからないのに、なぜ、警察や国は、ビットコイン不正利用者やハッカーを特定できるのでしょうか。
それは、出口と入り口を国が抑えているためです。
取引所に口座開設する際、個人情報の提出とチェックが厳しくなっています。
免許書の写真と、写真を持った自分の画像を提出する必要がありますよね。
要するに、財布の持ち主を入り口で特定しておいて、あとは、ビットコイン銀行内の財布同士の移動なら、追跡が可能なため、個人を特定できるというわけです。
また、ビットコイン決済の時も同様です。決済アプリを利用するには個人情報提出が必須になっています。
出口を押さえることで、自分でビットコインを採掘した人や、送金者不明のビットコインを利用しても個人が特定可能になるのです。
ビットコインが普及し始めた当初、国がビットコインを認めるか認めないかでもめました。
理由は匿名性の高さでした。
しかし、現在、入り口と出口を国が完全に抑えているため、必要であれば個人を特定できるようになりました。
よって、日本でもビットコインなどを「暗号資産」として取引を認めているのです。
完全なる匿名性
国が入り口と出口を抑えることで、仮想通貨のメリットの一つ、匿名性が犠牲になりました。
そこで、もっと匿名性が高い、モネロやダッシュという暗号資産が開発されます。
モネロやダッシュもビットコインと同じように銀行は一つで、銀行の中に財布が入っているのも同様です。
異なるのが、財布から財布への通貨の移動。
モネロは1回の送金を一度に実施せず金額を分割、財布同士も直接送金せず、他の財布を経由させます。
よって、どの財布からどの財布へ通貨を移動させたかわからなくなります。
ダッシュは銀行に巨大な財布が作ってあり、個人の財布から個人の財布へ移動する際に、いったん巨大な財布に通貨を移動。
集まってきた通貨をシャッフルして、再度、財布へ送金します。
国が入り口と出口を抑えていても、通貨の流れを把握できないため、どこから来た通貨なのか、そしてどこへ送る通貨なのか把握できないのです。
現在、暗号資産は、透明な匿名通貨と完全なる匿名通貨の大きく2種類に分類されていて、前者がビットコインやビットコインキャッシュ、イーサリアム、ライトコイン、リスク。後者がモネロ、ダッシュなどとなっています。
現在、コインチェックなど国内の取引所で扱っている暗号資産は、前者である透明な匿名性銘柄のみ。
モネロ、ダッシュなど匿名性に特化した暗号資産は扱っていません。
取引所が国の認可制になり、匿名通貨を除外することで認可されたというのが事実です。
ビットコインは単純だがセキュリティは最強
専門用語も使い少しまとめてみましょう。
ビットコインはネット上だけに存在するものです。
そのビットコインを保管しているのはビットコイン銀行。この銀行がブロックチェーンと呼ばれています。
ブロックチェーンはその名の通り、チェーンのように長くつながり、すべての情報が世界中のパソコンに複製されています。
銀行の金庫のように、一か所にお金が集められているわけではなく、また、お金が世界中の銀行に分散されているわけでもありません。
ブロックチェーンという「情報」が世界中のコンピュータに入っている、これがビットコインというわけです。
無数のパソコンに同じ情報が入っていて、一部のパソコンだけ情報を書き換えても、その情報は破棄されてしまいます。多数決の原理です。
過半数以上の情報が正しいと認識され、それがリアルタイムにつながっていくのです。
この情報がブロックと呼ばれます。ブロックがつながってい姿がチェーンに似ているので、ブロックチェーンなのです。
ブロックチェーンは完全な1本の鎖ですが、極まれに分岐することがあります。
冒頭、採掘の話をしましたが、ブロックを採掘できるのは時間当たり1人だけです。
しかし、まれに、同時に2人採掘に成功する場合があります。
この時、いったんはチェーンに2つのブロックがつながります。
しかし、その次につながるブロックは、採掘を成功させた1人のみ。
コンピューターパワーが強いものが勝者となります。
ブロックチェーンの原則は、「長い鎖を信頼する」であり、短い鎖は破棄されます。
これによって、不正を防ぎます。
他人の財布からビットコインを不正に自分の財布に送金させるよう指示したブロックを不正にくっつけても、すぐに発見され破棄されます。
これが、絶対安全、不正不可能な仕組みです。
(※理論的には51%アタックという不正が可能ですが、攻撃者にメリットがない点、51%のハッシュを獲得は現実的ではないという2点によって不正は事実上不可能)
ブロックチェーン上のウォレットにアクセスできるのは、そのウォレットに対応するシークレットキーだけです。
よって、ビットコインを扱うには、アドレスとシークレットキーを入手し管理します。
管理方法は取引所やクラウドなどネットにつながったホットウォレット、アドレスとシークレットキーをパソコン端末やスマホに保存したものも、ネットにつながるためホットウォレットと呼ばれ、送金、売買に便利。
逆に、USBやフラッシュメモリ、Ledger Nano S、紙、記憶などはネットにつながっていないためコールドウォレットと呼ばれ、長期保管に向きます。
取引所は暗号資産の売買に便利で、日本ではコインチェックが有名です。
長期保有する場合は、アドレスとシークレットキーを暗記するか、紙に印刷する、もしくはLedger Nano Sを利用する必要があります。
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