ファイザーが19兆円で製薬会社を買収、どれほど凄いのか
世間を騒がせている大型買収、それは、世界大手のファイザー社が同業のアラガンを19兆円で買収するというものです。ただ、19兆円といってもなかなかピンと来ないですよね。特に製薬メーカーはわれわれに直接の利害関係が無いので、わかりづらいと思います。
まずは業界の全体像から見ていきましょう。
国内の製薬メーカーを見ていきましょう。
- 武田薬品 1兆7000億円
- アステラス製薬 1兆2000億円
- 第一三共 1兆1000億円
- 大塚製薬 1兆円
- エーザイ 6000億円
武田薬品がダントツトップで2位3位までがいい線にいます。
5位になると少し落ち込みますよね。
では世界の製薬業界はどうなっているのでしょうか。
- ノバルティスファーマ 5兆3000億円
- ファイザー 4兆7000億円
- ロシュ 3兆8000億円
- メルク 3兆6000億円
- サノフィ 3兆6000億円
ちなみに武田薬品は世界ランキングで14位
やはり海外の製薬メーカーのパワーは圧倒的ですね。
実は、薬の開発には莫大なお金がかかります。数年前まで1つの薬を発売するまでに1000億円が必要だといわれていました。しかし、最近では画期的な薬の開発が難しくなっており、年々研究会開発費は多くなっているのです。なので、例えば日本ランキング5位のエーザイですら、1000億円以上の開発費を投じても、なかなか新薬を生み出せないわけなのです。もちろん、薬の開発は競争です。スピードが命です。相手は海外のファイザーともなると、その研究開発費の予算は莫大で、とてもかなうものではないですよね。
画期的な薬の開発によって多くの人の命が救われるわけですから、資金不足で開発できないなんて状況にはなってほしくないですね。
そして今回の買収は、世界2位のファイザーがアラガンを買収するということなのです。アラガンの売り上げは約7000億円で日本ではエーザイと同じ規模の企業です。単純にファイザーとアラガンを足しただけでもファイザーは世界トップの売上高になります。また、買収の相乗効果(研究開発費の圧縮等)でより売り上げもUPすることは間違いないですね。
売り上げ6兆円に迫る巨大企業が誕生するわけです。税回避を意図とした買収であるともささやかれていますが、巨大企業が誕生することに間違いないですね。
ちなみに、世界のあらゆる企業の売り上げはどうなっているのでしょうか。
まずは日本国内から
- トヨタ 27兆円
- ホンダ 13兆円
- 日産 11兆円
- NTT 11兆円
- JX 10兆円
桁違いですね。
世界はというと
ウォルマート 45兆円
それ以外は石油で約40兆円
こうやってみると、トヨタの強さはダントツですね。製造業でここまで巨大な企業は、まさにトヨタは世界に誇れる企業です。
以上を考えると、日本の製薬企業はまだまだ非常に規模が小さく、世界に太刀打ちできるレベルではありません。
また、世界トップのファイザーですら、企業全体から見るとそれほど大きくはないのです。まだまだこれから買収が続くかもしれませんね。
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