軍用輸送機比較 | 世界一大きな輸送機は?

軍用輸送機比較 | 世界一大きな輸送機は?

輸送機

輸送機
軍事上、最重要項目に位置づけられる輸送能力。

 

輸送には陸送、空輸、海路など様々な方法があるが、戦局を左右する空の輸送、軍事用輸送機について詳しく紹介します。

輸送機の重要性

戦争の勝敗は物資の輸送能力で決まるといっても言い過ぎではありません。

 

いくら高性能な戦車を持っていても、戦闘が起きている地域に戦車を投入できなくては意味が無いのは承知の通り。

 

例えば、日本では全国各地に戦車を配備していますが、離島に某国が攻めてきた時に、大量の戦車を投入するには輸送する必要があります。

 

アメリカ軍に至っては、全世界が活動範囲です。

 

国の緊張度合いに応じて、柔軟に軍事力リソースを配分します。

 

戦車などの重兵器の輸送には、輸送船を使う方法もありますが、デメリットは遅いこと。開戦直後に重兵器を投入するためには、空からの輸送が欠かせません。

 

輸送機には大きく2つの種類があります。

 

一つは、今まさに戦闘が起きている地域にピンポイントに物資を輸送する戦術輸送機。基地から戦闘場所へ運ぶ能力がある輸送機のことです。

 

もう一つは、基地から基地へ、大陸を超えるような大規模な輸送である戦略輸送機。

 

この二つのタイプの輸送機が各国の軍で運用されています。

 

この二つに明確な線引きはありませんが、特に重要なのが戦術輸送機。

 

舗装されていない滑走路の離着陸や、長さが十分でない滑走路から飛び立つための単距離離陸性能が求められます。

 

また、最大積載能力も重要です。

 

それではサイズごとに各国の輸送機を詳しく見てみましょう。

日本の輸送機

輸送機
日本の最新輸送機はC2と呼ばれる輸送機です。

 

1973年から運用が始まったC1を2016年から順次C2へ切り替え運用をスタートしています。

 

古くから運用していたC1は、最大8トン、航続距離1500kmという、輸送機の中ではかなり性能が低く、現代の戦闘スタイルに適合しないものとなっていました。

 

8トンというとイメージしづらいかもしれませんが、一般的な軽装甲車の重量は5トン前後であり、装甲車はおろか、計装甲車すら1両しか搭載できないさみしい輸送能力だったわけです。

 

日本の最新戦車である、10式戦車は44トンであり、8トンという輸送能力がどれほど小さいのか実感できます。
輸送機

 

このC1を順次入れ替え開発したのがC2。

 

最大搭載量が約35トンとC1に比べ5倍近く重いものを搭載できます。

 

航続距離は最大の物資を搭載して4500km。貨物満載で日本の端から端まで輸送が可能となりました。

 

更に、必要な離陸距離は最短で500mという単距離であり、条件が悪い地域に大量の物資や車両を迅速に輸送できるようになりました。

 

多くのサイトでは、搭載量や航続距離を絶賛していますが、注目すべきはそこではありません。

 

このサイズは輸送機の中では中程度のサイズであり、世界中多くの国でこのサイズの輸送機は運用されています。

 

注目すべきは最短離陸距離です。

 

500mという距離は、このクラスの輸送機の中ではずば抜けています。

 

日本はもともと海と山に囲まれ、平地が少ない、さらに平地があったとしても、そこには住宅やビルが立ち並ぶという、航空機を離着陸させる土地が少ない国です。

 

最短離陸距離が短ければ、それだけ離着陸させる場所が多いことになり、この最短離陸距離の短さがC2の最大のメリットという訳です。

 

特に、近年、離島防衛にリソースを注ぐ自衛隊。狭く、舗装された滑走路が無い離島にも、迅速に物資を運ぶことができるのは、非常に意味がある輸送機なのです。

 

では、各国の輸送機の状況はどうでしょうか。

世界の輸送機

日本のC2輸送機に代表されるサイズの輸送機は各国保有しています。

 

そこで、C2よりも大きい輸送機を順にみていきましょう。

 

Y-20 中国の輸送機

輸送機
中国が開発した最新輸送機です。

 

最大搭載量66トンと、C2のほぼ2倍のサイズです。航続距離は7800kmとかなり長距離です。

 

超臨界翼という最新の空力から開発された翼を、複合材料によって作っており、音速に近い速度でより多くの物資を搭載できる世界でも最新の輸送機です。

 

また、機体の部品を3Dプリンタで作成。作業量を40%、作業準備時間を70%も削減し、製造コストを抑え、安く大量に調達できる設計としています。

 

Y-20の性能を中国は後に紹介するアメリカC-17A輸送機には及ばないとしています。しかし、Y-20を自国で生産し、運用し、経験を積むことで軍事上の大きなメリットを生むとしています。

 

近年の中国は非常に謙虚であり、自国の軍事力をほめたたえることをしません。

 

少し前なら、自国の戦闘機は世界最強、Y20輸送機は圧倒的な性能、などとたたえていましたが、自国の実力を冷静にん判断しています。

 

これは言い換えれば自信の表れであり、さらに良いものを作ろうという向上心も見て取れます。

 

日本がC2輸送機を発表した際、メディアは最高の輸送機だとほめたたえましたが、これは一昔の中国と同じであり、自国の技術を根拠なくたたえるのは危険な行為です。

 

C2の性能は一般的な国の輸送機とほぼ同じであり、詳細なデータは不明ですが、少なくとも中国やアメリカに比べて高性能かというとそうではなく、冷静に実力を判断する必要がありそうです。

 

中国は最新のY-2輸送機を400機近く調達しようとしており、これは日本にとってかなりの脅威です。

 

400機の輸送機の輸送能力は相当なものであり、重兵器をわずか数時間で日本に大量に輸送できるためです。

 

輸送能力は戦力に直結するため、中国の動向を常に把握する必要があります。

 

C-17 C-5 アメリカの輸送機

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アメリカ最大の戦術輸送機はC-17です。愛称はグローブマスターIII。最大積載量は77トン、航続距離5000kmと、戦術輸送機の中では最大級のサイズです。

 

日本がこの半分のサイズの輸送機を30機程度調達しますが、アメリカは巨大な戦術輸送機、しかもC-17だけで250機近く運用しています。

 

アメリカがこのサイズの輸送機を必要としている最大の理由は、世界最強戦車M1エイブラムスが60トンを超える重さであるためです。

 

アメリカ主力戦車を空輸で運ぶことで、戦術的に迅速な軍事作戦を可能としています。

 

C-17が最も活躍した作戦は、イラク戦争の作戦の一つ、バシュール飛行場奪取作戦の時です。

 

この作戦の目的は、イラク国内に物資を輸送するため、敵国の飛行場を奪い、安全を確保したのち、戦車や物資をその飛行場を利用して運び込むというものです。

 

まず、アメリカ軍の中でも精鋭の特殊部隊がC-17輸送機から、日没後にパラシュート降下。親米組織クルド人民兵と合流し、数時間で飛行場を制圧し占拠、奪取しました。

 

飛行場の確保に成功したアメリカは即座にC-17輸送機26機を派遣。

 

僅か4日間の間に2200人の兵士と400両を超える作戦車両を輸送しました。

 

文章を読むとあまり実感がないですが、想像するとこの事実は恐るべきことです。

 

昨日まで自国の空港だったものが、わずか数日後には2200人の兵士と400両の車両が現れ、攻め込まれようとしているのです。

 

この作戦に利用されたC-17輸送機はたったの26機。アメリカ軍にとっては小規模の作戦でした。

 

C-17輸送機は世界最高の輸送機とも称されており、先ほど紹介した中国のY-2輸送機がC-17輸送機を目指しているのはこのためです。

 

少し話がそれますが、アメリカはC-17輸送機とは別に戦略輸送機C-5を保有しています。
輸送機

 

約122トンの搭載力があり、M1エイブラムズ2両を一度に輸送可能。ハンヴィーなら14両、ヘリコプターは同時に6機も輸送できるという恐るべき輸送機です。

 

C-5は戦術輸送機ではないため、電撃的な作戦ではなく、安定した地域や舗装された滑走路に大量の物資を運ぶことを目的にしていますが、重装甲の車両を一度に大量に、しかも迅速に運ぶ能力があるのはアメリカ軍ならではの力です。

 

では最大の輸送機は何でしょうか。

 

An-225 ロシアの戦略輸送機

輸送機
世界最大の輸送機、それはAn-225です。すでに世界最大の飛行機An-225はとんでもなく巨大だったでも紹介済みですが、そのサイズは飛んでも無く巨大。一度に300トン以上の物資を積み込むことができます。

 

輸送機

 

その室内はまるで巨大な貨物船。車だろうが何だろうが、とにかく何でも積み込めるサイズですね。



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