弾道ミサイルとは | ICBMなどの威力と防ぐ方法

弾道ミサイルとは | ICBMなどの威力と防ぐ方法

弾道ミサイル

弾道ミサイル,ICBM
弾道ミサイルとは、巡航ミサイルと異なり、燃料を使い果たした後は重力を利用して滑空し、目標を破壊するミサイルのことです。

 

核ミサイルで話題になる弾道ミサイルはどれほど脅威なのか詳しく紹介します。

弾道ミサイル

弾道ミサイルにはかなり多くの種類が存在します。

 

ある一定までロケットによって打ち上げられ、その後は重力と大気の摩擦だけで軌道が決まるものが弾道ミサイルであるため、その射程距離ごとに種類分けされます。

 

戦術弾道ミサイル

まず最も射程距離が短い弾道ミサイルが、戦術弾道ミサイルでTMBと呼ばれます。

 

射程距離は300q未満であり、ざっくり東京と名古屋の直線距離ほどです。

 

弾頭には核兵器や通常弾頭が搭載できます。

 

射程距離が短いため、戦闘の前線に出て発射されるため、巨大なコンテナトラックに搭載されそのまま発射されます。

 

イメージする弾道ミサイルとは異なり、陸軍の遠方支援など、より戦術的な役割を持っているため、戦術弾道ミサイルと呼ばれています。

 

日本周辺ではあまり注目されていませんが、国境が他国に接している国では、弾頭に核兵器を搭載し、核抑止力に利用している国もあります。

 

最新の戦術弾道ミサイルはイスラエルが開発したプレデターホークというミサイルで、140sの弾頭を300q先に飛ばし、命中誤差10mという精度の高さを誇っています。
弾道ミサイル,ICBM

 

イスラエルは常に隣国と戦闘状態にあり、軍事技術、軍事力共に世界トップレベルを誇っています。

 

世界最強のアメリカに軍事技術を提供しているほどで、最先端の兵器を次々に開発しています。

 

短距離弾道ミサイル

弾道ミサイル,ICBM

※quotationWikipedia

戦術弾道ミサイルの次に飛距離が長いのが、短距離弾道ミサイルです。

 

射程距離は1000q未満であり、本州の半分ほどの距離を飛行するミサイルです。

 

日本周辺でこのタイプのミサイルを持っているのは中国です。

 

東風15、別名DF-15とも呼ばれ、最新のCタイプでは射程距離は700qで着弾時、弾道の速度はマッハ6を超えます。

 

命中精度は5mとも言われており、先端には浸透弾頭も搭載可能で、バンカーバスター同様、地下深い目標も破壊できます。

 

東風15の想定目標は台湾の地下司令部、沖縄軍基地、九州の自衛隊基地であり、発射機だけでも100機を超える数を揃えています。

 

もし中国と開戦になった場合、東風15の一斉射撃により、台湾司令部は壊滅、沖縄周辺の米軍基地も使用不可能に破壊されるとアメリカも想定しています。

 

中距離弾道ミサイル

核兵器を保有する中小国が装備する主力の弾道ミサイルが中距離弾道ミサイルです。

 

射程距離は約3000q未満のものを指し、北海道北端から石垣島ほどの長い距離を射程に収めます。

 

最も有名なのが、北朝鮮が配備するノドンであり、射程距離は1500q、ちょうど日本の本州全土を射程に収めます。

 

言い換えれば、ノドンは日本の攻撃を想定して設計されており、テポドンテポドンと騒がれていますが、実際に日本が脅威になるのはノドンというわけです。

 

ノドンには生物兵器、化学兵器、核兵器が搭載可能で、発射機は50機ほど保有しています。

 

北朝鮮のミサイル発射が世間を騒がせていますが、現在北朝鮮が開発している弾道ミサイルは、アメリカ本土まで届く大陸間弾道ミサイルです。

 

発射のたび、脅威だ脅威だといわれますが、この脅威はアメリカが感じるものであり、日本はすでに実戦配備されているムスダンに狙われていることを忘れてはいけません。

 

核兵器が搭載されたムスダンが日本に向け発射された場合、発射から8分ほどで主要都市が廃墟になります。

 

日本はムスダンの脅威に対応するため、PAC3という迎撃ミサイルを導入し対応しています。

 

核ミサイル防衛の実態-日本は核を迎撃できるのか?にて詳しく紹介しています。

 

中長距離弾道ミサイル

弾道ミサイル,ICBM

※quotationWikipedia

射程距離が3500qから6000qと、国を数国跨ぎ攻撃できるミサイルを中長距離弾道ミサイルと呼びます。

 

1990年代以前にアメリカ、ロシア、中国がすでに大量配備しており、最近は開発がされていなかったミサイルのタイプです。

 

しかし、近年、北朝鮮がこのタイプのミサイルを数種類同時に開発しています。

 

世界的に見て、これほど積極的に中長距離弾道ミサイルを開発しているのは北朝鮮だけであり、これがアメリカを刺激し、ミサイル脅威論が盛んに議論されています。

 

特に、火星12、別名KN17と呼ばれる射程約5500qのミサイルの発射実験が行われていて、最大飛距離は北朝鮮初となる2200qを記録しています。

 

想定される攻撃目標はグアム、ハワイであり、世界最大規模のアメリカの軍事拠点をけん制しています。

 

アメリカはこれを北朝鮮による脅威と挑戦ととらえ、最新の防衛ミサイルをハワイに配備。イージス艦を派遣し、日本にイージスオフショア購入を打診するなど、対策に取り組んでいます。

 

現状、北朝鮮はこのタイプのミサイルの開発に成功していません。

 

そして、近い将来このタイプのミサイルを北朝鮮が配備したとしても、アメリカの何重にもなる防衛網を突破するのは不可能だといわれています。

 

一方、中距離弾道ミサイルを真上に近い軌道で打ち上げ、迎撃を困難にする、ロフテッド軌道で日本を攻撃することも想定されています。

 

現在、ロフテッド軌道で発射された弾道ミサイルの迎撃率は低く、イージス艦とPAC3の2重でしかない日本のミサイル防衛網は突破される可能性が高い、非常に危険なミサイルです。

 

この脅威に対応するため、イージス艦を増やす代わりに、地上設置型のイージスシステム、イージスオフショアを日本は導入予定となっています。

 

大陸間弾道ミサイル(ICBM)

弾道ミサイル,ICBM
※quotationhttps://nationalinterest.org/
アメリカとロシアの最短距離を結ぶ5500km以上の弾道ミサイルが大陸間弾道ミサイル、別名ICBMです。

 

そのサイズはミサイルというよりも、完全にロケットです。

 

超長距離の射程を誇るため、サイズが巨大で、弾頭にも複数の核兵器を搭載できます。

 

到達高度が非常に高く、速度も速いため、日本が現在もつミサイル防衛では防衛できないタイプの弾道ミサイルです。

 

ICBMの開発は非常に難しく、現在戦力として大量配備しているのは、アメリカ、ロシア、中国のみです。近年、急速に国力を高めてきているインドが開発に力を入れ、北朝鮮もテポドンを完成させようとしていますが、苦戦しています。

 

理由は固体燃料です。

 

大陸間弾道ミサイルと民間のロケット打ち上げはほぼ同じ原理であるため、弾道ミサイルを開発する国は、民間ロケット開発を名目に発射試験を行います。

 

一方、最も異なるのが、ロケットの燃料です。

 

民間ロケットは出力が大きい液体燃料を使います。ゆっくり時間をかけ燃料を注入し、ロケットを発射すればよいためです。

 

弾道ミサイルになると、打ったら即打ち返すという性質上、液体燃料のミサイルは使い物になりません。

 

ミサイルを打たれてから燃料を注入していたのでは、燃料注入中に灰にされてしまいます。

 

よって、長期安定保管できる固体燃料ロケットの開発が重要なのです。

 

固体燃料ロケットは、均一に高出力で安定して燃やすのが難しく、開発に最新の技術と時間が必要なのです。

 

この問題を乗り越え、インドや北朝鮮が大陸間弾道ミサイルを完成させた場合、アメリカにとって脅威が増えることになります。

ICBMを撃ち落とす

世界で唯一大陸間弾道ミサイルを防衛できるシステムを保有しているのはアメリカだけです。(ミサイル防衛を持つのはアメリカだけ | 日本はミサイルを防げない?にて詳細に紹介しています。)

 

GBIという巨大な迎撃ミサイルをロシアから飛来するであろうICBMの飛行経路上に置き、迎撃体制をとっています。

 

そのサイズはICBMとほぼ同じ、まさにロケットです。

 

打ったら打ちっぱなしのICBMと異なり、超高速で飛んでくるICBMを撃ち落とす迎撃ミサイルGBIには、相当な技術とコストが必要です。

 

また、ICBMの飛行高度は非常に高く、一般的なレーダーでは探知と追跡ができません。

 

アメリカはICBMを探知する専用のレーダーである、海上配備Xバンドレーダーを持っています。
弾道ミサイル,ICBM

 

写真を見ると、巨大な油田のように見えますが、実はこれ、巨大な装置ごと海を移動します。驚異の技術です。

 

最近では北朝鮮の脅威に対応するため、アメリカ本土から太平洋までXバンドレーダーがやってきました。

 

世界でも、ミサイルの発射をリアルタイムで探知できるのはアメリカとロシアだけであり、発射されたミサイルの軌道をリアルタイムで把握できるのはアメリカだけです。

 

また、発射の探知、追跡から迎撃までの流れをシステム化しているのはアメリカだけなのです。

 

言い換えれば、アメリカの支援がない状況で、日本に向けてICBMが発射された場合、ミサイル発射に気づくのは、着弾後というわけです。

 

現在、ICBMなど長距離射程の核兵器は、核抑止力、使わない兵器として機能しています。

 

一方、アメリカは使わない兵器は「使えない兵器」とし、使える最強兵器PGSの開発を進めています。

 

核兵器と通常兵器の間を埋める兵器ですが、PGSの登場によって核使用のハードルが下がることは何としても防ぎたいものです。



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