ロシアのMiG-35戦闘機とは | 最新・輸出用戦闘機なのか

ロシアのMiG-35戦闘機とは | 最新・輸出用戦闘機なのか

ロシアの戦闘機

MiG-35,mig35,戦闘機,ロシア

※quotationWikipedia

MiG-35はロシアが開発を進める最新の戦闘機です。

 

ロシアの戦闘機事情は複雑であり、MiGシリーズ以外にSuシリーズを配備させ、空軍を維持しています。

 

今回はMiG-35の詳細とともに、ロシアの最新戦闘機の事情を詳しく紹介します。

MiGとSu

ロシアには二つのタイプの戦闘機が存在します。MiGとSu。

 

共通点はどちらの戦闘機もアメリカの攻撃を阻止し、軍事的優位を得ようとして開発されました。

 

一方、MiGとSuの最大の違いは戦闘目的です。MiGは主にロシア本土に飛来する攻撃機(制空戦闘機ではない)を迎撃する防空戦闘機。

 

Suは敵の戦闘機を迎撃し、さらに敵艦隊や航空部隊をつぶすための制空戦闘機に分類されます。

 

ロシアはMiGとSuにそれぞれ得意分野を持たせ、配備を進めてきたのです。

 

ロシア戦闘機の変遷を見てみます。

 

MiG

アメリカはマッハ3.3を誇るSR71ブラックバードでロシアを偵察し、その情報を基に超高速で侵入する爆撃機B-58で、核報復報復と陽動作戦を実行できる体制を構築します。

 

当時のロシアはアメリカが考案したこの攻撃スタイルを、ロシアが持つ従来の戦闘機では対処出来ないことが判明します。

 

焦ったロシアはMiG-25を完成させました。
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※quotationWikipedia

 

MiG-25の特徴は世界最速の戦闘機。その最高速度はマッハ3.2を誇ります。この速さは驚異的です。

 

アメリカが持つ最新で世界最強の戦闘機F22がマッハ2.4、そして世界最速偵察機SR71ブラックバードがマッハ3.3なので、戦闘機としてはずば抜けて高速であることがわかります。

 

ちなみMiG-25の速度は、過去も今も含め最速の戦闘機となっています。

 

アメリカの高速爆撃機を迎撃するためにロシアが考えた方法は、高速、高高度で侵入してきたSR71ブラックバードをレーダーで発見し、MiG-25をスクランブル発進、ブラックバードを追いかけ、搭載された対空ミサイルで破壊するというものでした。

 

ブラックバードが撃墜される可能性があることを知ったアメリカは、新たにロシアの攻撃方法を考案する必要がありました。

 

考え出された技術、それは空中給油です。

 

爆撃機は航続距離が長く、1万q以上無給油で飛行できる一方、戦闘機の航続距離は長くても3000qです。

 

そこで、空中給油機を作戦空域の少し手前に配置し、戦闘機に給油することで、戦闘機の行動範囲が格段に広がりました。

 

その結果、爆撃機を護衛することが可能になり、爆撃機を低空でロシアに侵入させることを可能にしました。

 

要するに、今までは撃墜される危険からロシアに近づけなかった爆撃機が、護衛戦闘機とともに接近できるようになります。

 

ロシアは、護衛戦闘機を伴い低空で侵入してくる爆撃機や巡航ミサイルに対処する能力を獲得する必要が出てきました。

 

そして開発されたのがMiG-31という訳です。
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※quotationWikipedia

 

先代のMiG-25の弱点は、自分より低空を飛ぶ飛行機を発見する能力が低いこと。いわゆるルックダウン能力の低さです。

 

高高度から低空をレーダーで観測する場合、海面や地面で反射するレーダーによって解像度が低下し、敵の発見が困難になります。

 

皮肉にも、ルックダウン能力の低さが露呈したのが、日本のレーダー網を突破したMiG-25でした。日本だけが配備する早期警戒管制機E-767の探知能力の凄さにて詳しく紹介しています。

 

MiG-25の他の弱点は、高高度専用のエンジン設計であるため、低空では燃費が悪いため、活動範囲が狭くなるという問題がありました。

 

MiG-31戦闘機は、低空監視能力が大幅にアップし、燃費向上により広範囲を防空できます。

 

また、爆撃機を護衛する制空戦闘機を迎撃できるよう、当時最新の第4世代戦闘機として設計しました。

 

 

このように、MiG戦闘機の活動域は主にロシア国内であり、ロシアの空を防空するために開発された戦闘機というわけです。

 

Su

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※quotationWikipedia

一方のSu戦闘機は、敵の攻撃を待ち構えるのではなく、こちらから積極的に敵を攻撃、迎撃する最強の制空戦闘機に分類されます。

 

圧倒的な機動力と大量の対空ミサイルを搭載し、敵制空戦闘機を破壊します。

 

ロシアは、MiGシリーズを防空用、Suシリーズを制空用というそれぞれの特徴を持たせ、2タイプを並行して開発を進めてきました。

 

防空用戦闘機という考え方は、アメリカと競うロシア独特のものなのです。

 

対するアメリカはロシアとまったく異なる運用をしています。

 

アメリカでは、最強戦闘機F22能力は劣るが数をそろえたF35を組み合わせ、低コストで能力を最大化させるHi&Loミックス戦略で戦闘機を運用しています。

 

そもそもアメリカ本土を大規模に攻撃できる国は皆無です。よって、いかなる敵戦闘機であろうと、圧倒的高性能の戦闘機で敵をアメリカ本土に近づけさせないというコンセプトを取っています。

 

そのため、アメリカはすべて最強の制空戦闘機をそろえています。

 

ロシアは、国境を接する国が多く、またアメリカから飛来する最新爆撃機や戦闘機に対処するために、防空タイプと制空タイプをそれぞれ開発してきたのです。

ロシア戦闘機の変化

防空、制空というロシアならではのコンセプトで設計された戦闘機ですが、最近になり様相が変化しています。

 

これまで防空に特化して作られてきたMiG戦闘機でしたが、ネットワークを強化し、最強のSu戦闘機と情報を共有できるようになりました。

 

結果、Su戦闘機1機と複数のMiG機からなる戦闘群を構成し、各戦闘機に搭載されたレーダーから得た情報をSuが統合、最適な攻撃を行う新たな戦法が開発されたのです。
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※quotationWikipedia

 

ネットワークという新たな能力を得たことで、これまでは防空専用で安価なMiG戦闘機が、積極的に前方へ出てこれるようになります。

 

そしてこの状況を踏まえ、前方でもある程度の戦闘力を持つ、最新のMiG-35が開発されました。

MiG-35

MiG-35戦闘機最大の特徴は、安価でありながら強力な戦闘力を持っているという点です。

 

従来のMiG戦闘機を開発したときに得た、低コストで戦闘機を開発する技術を利用することに加え、Su-35で開発した推力偏向ノズル、ネットワーク技術、Su57戦闘機開発で得たステルス技術を利用しています。

 

現在ロシアは最新の第五世代ステルス戦闘機Su-57を開発しています。

 

MiG-35はステルス機専用設計ではありませんが、エンジンの排気に煙を混入させず、赤外線排気も最低限にするなど、従来の第4世代戦闘機に比べて高いステルス性を持っています。

 

また、エンジンの排気ノズルを自由に動かすことで、草原や高速道路など荒れた場所から離陸できる性能も持っているため、滑走路を破壊されても活動できる戦闘機としての特徴も備えています。

 

搭載されたレーダーの探知距離は飛躍的に向上し、4つの目標を同時に対処しつつ、30の目標を警戒できる能力があります。

 

さらに、最新の対空ミサイルを搭載できるようになり、敵の射程外から敵を攻撃する能力も手に入れています。

 

最強の制空戦闘機Suシリーズとの連携機能も強化され、従来の防空専用という設計から、徐々にアメリカのようなHi&Loミックスに近い構成になりつつあるのが最新のMiG-35というわけです。

 

これは驚異の特徴を紹介した動画です。これほどの性能を安価に製造できる技術力の高さは、過去の経験が活かされているわけです。

 

過去のMiGシリーズは輸出にも成功しています。

 

安価なわりに、アメリカの戦闘機に対処できる高い戦闘力を持っているため、ロシアと関係の深い中小国や、ヨーロッパ諸国もMiGに興味を示し、多くの国で採用されています。

 

MiG-35はロシアでは200機ほどの配備を予定していますが、それよりもロシアは外貨稼ぎのために同盟国などに積極的な売り込みを行っており、すでに興味を示す国も多く存在しています。

自国で戦闘機を開発する

ロシアは、MiG-35以外に、次世代のMiG-41を計画、またハイパワー制空戦闘機Su-35の後継機、Su-37の配備スタート、さらに第五世代のステルス戦闘機Su-57と、次々に戦闘機を独自に開発し更新し続けています。

 

また、中国ではアメリカに続き、世界で2番目に第五世代ステルス戦闘機J20を飛ばし、それに準ずるJ31を開発。アジアの軍事バランスを大きく変化させ、経済力、軍事力共に世界2位の大国を創り上げました。

 

一方、日本では第五世代戦闘機の独自開発を断念。F35の自国組み立ても中止し、完成品をアメリカから購入することを決定しました。

 

F35の戦闘力は世界でも屈指であり、しばらくは日本の軍事力(防衛力)は高いまま保たれると考えられますが、すでに先進国では第六世代戦闘機の開発に着手しています。

 

また、アメリカは第六世代戦闘機を輸出しない方針で調整を進めています。

 

日本は軍事技術の大半をアメリカに依存している状況であり、中長期的な軍事力衰退が懸念されている状況です。

 

軍事力衰退の根源は、経済力の衰退でもあり、同時に技術力も世界的に遅れ始めているのが現状です。

 

軍事技術や軍事予算に批判も含め様々な意見が集まっています。

 

しかし、そもそも軍事予算は税金であり、税収の伸び悩み、要するに経済の上昇スピードが遅すぎるということが問題です。

 

経済力が上昇しない現状、そして、日本の将来は我々が日々行う経済活動次第であることを忘れてはなりません。



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