中国のステルス戦闘機J20のすべて

中国のステルス戦闘機J20のすべて

中国のステルス戦闘機開発

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※quotationWikipedia

ここ数年で中国軍は飛躍的に力を高めており、軍事費だけで見ると世界第2位の規模になっています。

 

今までアメリカ軍の独擅場だったステルス戦闘機ですが、中国も独自にステルス戦闘機を開発し、配備し始めています。

 

J20はF22、F35に続き、世界で三番目に投入されたステルス戦闘機であり、アジアでは最初に開発されたステルス機でもあります。

 

今回は中国最新、最強のステルス戦闘機J20について詳しく紹介します。

ステルス戦闘機J20

中国が最も最初に開発を進めたステルス戦闘機がJ20です。

 

アメリカ軍最強、世界最強のステルス戦闘機F22に対抗する目的で設計されました。

 

まずはサイズや能力を比較してみましょう。

 

J20はF22と比較し、若干大きなサイズになっています。

 

最高速度はF22に軍配が上がります。

 

戦闘機の開発で最も難しい技術の一つがジェットエンジンであり、ここはやはり長年の実戦経験が多いアメリカが圧倒的な技術を持っています。

 

サイズなど数値に表れている性能はほぼ同じですが、J20とF22の決定的な違いは、カナードと呼ばれる前方についた小さな翼の有無です。

F22 J20
長さ 18.92m 20.12m
横幅 13.56m 13.88m
空虚重量 19,700kg 19,391 kg
最大離陸重量 38,000kg 36,288 kg
航続距離 2,960km 2,970km
最高速度 2,575km/h 2,100km/h

カナードとステルス

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カナードを搭載するメリットは様々ですが、J20のカナードは安定性と飛行性能の両立のためにカナードが搭載されています。

 

J20の主翼は超音速や運動性能を優先して設計されており、飛行の安定性の低下が問題となっていました。

 

超音速時の戦闘力を高めるためには主翼を小さくし、空気抵抗を抑える必要がありますが、亜音速、低速時には失速しやすく操縦の難しい戦闘機になります。

 

多くのサイトでは、中国のJ20はエンジンのパワー不足を補うためにカナードを付けたと記載していますが完全に間違っています。

 

J20は超音速を出す設計になっており、アメリカに比べてエンジンは力不足とはいえ、離陸に問題をきたすような非力なエンジンではありません。

 

実際にアメリカ軍がF22を選定する前には、カナードを持つタイプのF22も検討されていました。

 

J20は、機動力を上げるために主翼を後方にずらし、主翼をずらしたことによる低速時の不安定な挙動を補う目的で設置されているのです。

 

低速時の安定性を向上させ、超音速の戦闘力向上に貢献しているというわけです。

 

安定飛行に問題をきたすほどエンジン出力が弱いわけではありませんが、、現状、J20のエンジンはアメリカに比べて低出力なのは間違いありません。

 

小型で高効率のハイパワージェットエンジンを独自に開発する力を中国は持っていないのです。

 

逆に、もし中国が高性能エンジンの技術を獲得し、J20に搭載すれば、カナードの効果もあり、F22とほぼ互角の戦闘力を持つと専門家も指摘しています。

 

 

では、J20のステルス性能はどうでしょうか。

 

F22は世界最強のF22ラプターステルス戦闘機のすべてでも紹介している通り、F117ナイトホークから始まった長年のステルス技術の結集です。

 

その性能は圧倒的であり、先進国のレーダー探知をほぼ無効にするといわれています。

 

少し前には、F22が日本上空を飛行した際に、全く探知されなかったとの発表もありました。

 

J20は中国初のステルス戦闘機です。

 

F22に比べれば、若干ステルス性能は劣ると考えられており、その根拠に先ほどのカナードが一つの理由になっています。

 

レーダー吸収塗料や機体形状が工夫されたJ20ですが、カナードという物理的に大きな断面を持つ構造物がついているため、当然ステルス性能は不利になります。

 

しかし、エンジンの吸気口をダイバータレス超音速インレット(DSI)とすることで、ステルス性能を向上させています。

 

DSIとはエンジン効率とステルス性を両立させる技術です。

 

通常戦闘機は写真のようにエンジン吸気口と機体の間に隙間が空いています。

 

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※quotationWikipedia

 

戦闘機が高速で飛行すると、機体と接する空気の流れが遅くなり、吸気口と機体がくっついていると吸気口率が下がり、エンジン出力が落ちてしまいます。

 

そこで、F16はわざと隙間を開けてエンジン出力を確保しています。

 

しかし、この構造はステルス性能を落とす要因になります。

 

J20はエンジン吸気口を機体と一体型にしステルス性を確保しつつ、吸気口率が下がらないように空気を切り裂く設計であるDSIを採用しているというわけです。

 

これらを複合的に考えると、J20のステルス性能はF22に劣るものの、アジア地域では圧倒的な、またアメリカ軍にも脅威となるステルス性能を獲得しています。

J20が続々と配備される

中国政府はJ20の配備を発表し、今後猛烈な勢いで配備を進めると考えられます。

 

航空自衛隊と中国空軍の徹底比較〜アメリカについていけるのか〜に紹介する通り、すでに中国軍の空軍は日本の航空自衛隊のパワーを超えるまでに成長しており、J20の配備が進めばこのパワーバランスがますます中国優勢になります。

 

中国の軍事技術向上はアメリカも脅威に見ています。

 

アメリカはこれまで自国の領土が直接攻撃される危険は核攻撃以外にありえませんでした。

 

中東などでミサイルが被弾したり、戦闘機から爆弾を投下するなど、通常、敵国に対する脅威というのは自国の領土を直接攻撃される脅威です。

 

一方、アメリカは圧倒的な軍事力を持っており、もし他国の戦闘機が集団でアメリカ本土やハワイを目指してもすべて撃墜されてしまいます。

 

圧倒的なアメリカの軍事力は世界中でも別格だったわけですが、この現状に中国が挑み始めています。

 

J20の長距離攻撃能力は中国が開発する空中空輸機と相まって、アメリカ本土やハワイ攻撃を現実の脅威とし、アメリカ政府も強い警戒感を持っています。

 

アメリカの圧倒的な軍事優位性が崩れつつあるのです。

 

日本においてはもっと深刻です。

 

すでに経済力では圧倒的に中国に差をつけられており、軍事力も中国が優位になっています。

 

アメリカと異なり、日本と中国の距離は非常に近いため、軍事バランスの変化の影響を直接受けます。

 

自衛隊は世界で2番目に強いF35の導入を少しづつ進めていますが、F22よりも戦闘力の劣るF35が、J20にどれほど対抗できるかが注目されます。

 

また、圧倒的な経済力で軍拡を進める中国に対し、質、量ともに劣る日本がどう成長するのかが重要になってきています。



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