なぜアメリカは北朝鮮と戦争しないのか | 北朝鮮の軍事力

なぜアメリカは北朝鮮と戦争しないのか | 北朝鮮の軍事力

北朝鮮の軍事力

北朝鮮,軍事力
北朝鮮情勢が悪化する中、イラクやアフガニスタンと異なりアメリカが軍事行動になかなか踏み込まないことにいら立ちを感じる人も多いでしょう。

 

北朝鮮への軍事介入が行われない理由は明確です。北朝鮮は、中東の敵国に比較し、高い軍事力を持っているからです。

 

よく知られていない、北朝鮮の軍事力と、アメリカの軍事介入の真相について詳しく紹介します。

世界ランクは30位前後

北朝鮮の軍事力は、思いのほか強大であり、年間の軍事予算は5000憶円ともいわれています。

 

自衛隊が約6兆円となっており、貧弱に見えますが、物価の差を考慮していないため、実際の軍事力は予算以上だと考えられています。

 

関連記事でも紹介していますが、軍事力は予算以外に、貨幣価値と物価、経験を考慮する必要があります。

 

例えば、同じ軍事予算の国で比較した場合、物価と人件費が安い国の軍事力が強くなります。

 

また、同じ予算でも、経験が多い国、すなわち、過去の軍事予算の積み上げを考慮する必要もあります。

 

北朝鮮は、過去に韓国との戦争を経験しており、また物価や人件費が非常に安い国です。

 

この要素を考えると、軍事予算5000億円以上の軍事力を持っていることは間違いないでしょう。

軍事予算の大半を核兵器につぎ込む

北朝鮮の軍事予算の半分以上を核開発と核製造に費やしているとの報告があります。

 

ご存知の通り、核ミサイルの威力は強力であり、一発でも着弾すれば数十万人という人に被害が出ます。

 

よって、核ミサイルによる攻撃を防ぐために、アメリカは急ピッチでミサイル防衛の開発と核ミサイル配備による核の傘実現に取り組んでいます。

 

核の傘というのは、簡単に言えば、打ったら打ち返すと脅しあい、互いにミサイルを発射しないように機能させることです。

 

敵国への核攻撃は、敵国を壊滅させると同時に、自国の壊滅も意味します。

 

これにより、敵国に核攻撃をあきらめさせるということです。

 

アメリカは、核の傘のバランスを崩そうとしています。

 

それがミサイル防衛です。

 

現在、核兵器を大量に保有し、アメリカと対立している国はロシアと中国です。

 

三国は互いに核で脅しあい、戦争が起きないようバランスをとっていました。

 

しかし、最近になりアメリカがミサイル防衛を強化することで、ロシアと中国の核の傘の効力が弱まっています。

 

ロシアや中国が核でアメリカを脅しても、アメリカは「ミサイル防衛で撃ち落とす」と言っているのです。

 

要するに、ロシア、あるいは中国が核ミサイルを打ったとしても、アメリカは無傷のまま、核攻撃を仕掛けた国が滅びてしまうのです。

 

ミサイル防衛技術のアメリカ一人勝ちの状況が、核のバランスを崩し、戦争に発展する危険が増加しています。

 

実際、韓国やヨーロッパへのミサイル防衛システム導入は、ロシアが中国が強く反発しています。

 

彼らは核の戦力バランスを崩されたくないのです。

 

 

一方、対北朝鮮となると事情が変わります。

 

北朝鮮はアメリカと比較すると経済的に貧弱な国です。

 

核ミサイルの打ち合いで、両国が壊滅することは、アメリカにとって割に合いません。

 

北朝鮮もその事実は当然承知で、さらに、特攻精神で実際に核を打つ可能性が非常に高い国なのです。

 

非対称戦において、弱小国が核を持つことは、政治的に非常に強い意味を持つことを北朝鮮は良く知っていて実践しているというわけです。

通常兵器の軍事力

北朝鮮は、通常兵器の保有数は豊富です。

 

600隻近い船や潜水艦、1000機を超える作戦機、3000両を超える戦車など、イラクやアフガニスタンとは比較にならないほど豊富な車両を保有しています。

 

ただ、いずれも旧式がほとんどであり、予算不足から使える兵器は少なく、兵士の練度は低いといわれています。

 

実際にアメリカと北朝鮮が戦争になった場合、間違いなくアメリカが勝利するでしょう。

 

これは北朝鮮も遠回しに認めています。

 

どういうことでしょうか。

 

北朝鮮がアメリカを挑発する場合、必ず核兵器の使用をちらつかせます。

 

これは、北朝鮮の通常兵器ではアメリカに手も足も出ないことを示しています。

 

同様の事例が一昔前の中国でもありました。

 

1995年、台湾選挙が原因で中国と台湾がもめた、台湾海峡危機が発生します。

 

中国は、台湾独立を促進する選挙を実施すれば、中国に対する宣戦布告とみなすと脅し、さらに、中国は台湾海峡一帯を、ミサイル演習のミサイル着弾ポイントに設定し、事実上、台湾海峡を封鎖します。

 

台湾海峡すべてをミサイルの着弾実験場とすることで、漁船や貨物船などが一切通行できないようになり、事実上、軍事力による海峡封鎖を中国が実行したのです。

 

この行動に対しアメリカは激烈な反応を示します。

 

海上封鎖を即刻無効にすると発表、ベトナム戦争以来の最大戦力となる、空母打撃群2軍団に加え、水上戦闘群、さらには最新戦闘機を台湾周辺に即時派遣します。

 

中国はアメリカに、

 

「アメリカは台湾の情勢に注意している場合ではない。西海岸を心配した方がよいのでは。もし中国と台湾情勢にアメリカが介入すれば、核ミサイルを西海岸に打ち込む」

 

と核をちらつかせて脅しました。

 

当時、中国の軍事力は貧弱で、アメリカに対抗するためには核兵器をちらつかせるしか方法がありませんでした。

 

一方アメリカは、中国による核兵器の脅しを完全無視。海上封鎖された台湾海峡に向かわせていた空母打撃群2個ユニットをなんのためらいもなく海峡に侵入させます。

 

北朝鮮,軍事力

 

さらに、敵戦闘機を発見する哨戒機を飛ばし、万が一に備えミサイル迎撃システムを稼働、最新の戦闘機を中国の国境近くまで飛ばし挑発するなど中国を威嚇します。

 

中国から見れば、台湾海峡は演習中であり、ミサイル着弾ポイントになっています。

 

しかし、もし本当にミサイルを演習として台湾海峡に発射すれば、そこにいるのは世界最強のアメリカ空母打撃群2個部隊です。

 

万が一、アメリカ軍に実質的な被害が出れば、アメリカに対する宣戦布告とみなされ、展開していた空母打撃群に沿岸部部隊をつぶされ、また全面戦争に発展する危険もあります。

 

本来中国軍は、この状況を打破するために、戦闘機や軍艦を海峡に派遣し、空母打撃群を威嚇したいはずですが、アメリカの軍事力があまりにも強大であり何も手を打てませんでした。

 

中国軍はアメリカによる挑発に耐え切れず、演習を中止。周辺の陸軍や砲兵、ミサイル発射機を空母打撃群の射程外まで撤退させます。

 

結果、台湾海峡閉鎖を謳っていた中国の軍事政策は失敗に終わり、たった2個の空母打撃群に中国軍は戦わずして敗北、アメリカは空母打撃群2個だけで、しかも戦うことなく中国に勝利しました。

 

この時の中国の悔しさは、相当なものであり、この屈辱をバネに、経済力を飛躍的に高め、現在では世界第2位の経済大国、軍事力はアジアで圧倒的一位のパワーを持ち、世界2位の軍事大国を築きました。

 

 

現在中国は核兵器をちらつかせることはありません。

 

周辺国への圧力は、強大な通常兵器で十分だからです。

 

核兵器で他国を脅すことは、世界を敵に回すことを意味します。

 

核使用をちらつかせることは、国益にとって最も最悪の手段です。

 

現在北朝鮮が使っている外交手段は、核兵器を前面に出しており、経済力や軍事力が圧倒的に弱いことを認めているようなものです。

 

 

一方、通常兵器の軍事力がそれほど強大でなくとも、北朝鮮と韓国が全面戦争になり、アメリカが軍事介入する場合、韓国側に相当数の人的被害が出ることは必至です。

 

日本も、対岸の火事ではありません。

 

中東のアメリカ介入とは異なり、北朝鮮は目と鼻の先にあります。

 

もし、アメリカや韓国と北朝鮮が軍事衝突すれば、日本にも直接的な被害が出ることが容易に想像できるため、アメリカも攻撃に踏み出せないのです。

 

要するに、アメリカが北朝鮮と戦争しない理由は、韓国や日本、アジア地域の安全上の問題が最も大きいのです。

 

 

では、どのような事態になれば、アメリカが北朝鮮に軍事行動を起こすのでしょうか。

 

もし、北朝鮮が、グアムやハワイ、そして米本土近海に向けミサイルを発射すれば、世論が傾き確実に軍事行動を開始すると思われます。

 

国連決議をことごとく無視する北朝鮮に対し、世界世論は攻撃の正当性を理解することになります。

 

また、北朝鮮が核開発を中止しない場合にも軍事行動の可能性が高くなります。

 

歴代大統領は北朝鮮に対して対話路線で関係を保っていましたが、核放棄に失敗しています。

 

核放棄のための様々な選択肢を使い果たしたとき、残る手が軍事行動のみとなる日が近いうちにやってくることになるでしょう。

 

ちなみに軍事力世界1位のアメリカ軍事力は写真で見る最強の海軍とその軍事力は?アメリカ・中国・日本を比較で詳しく紹介しています。

 

もし、アメリカが日本や韓国などの同盟国を気にすることなく、敵国と正面衝突した場合、一瞬で他国を廃墟に出来るパワーを持っていることがわかります。



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