日本だけが配備する早期警戒管制機E-767の探知能力の凄さ

日本だけが配備する早期警戒管制機E-767の探知能力の凄さ

E-767早期警戒管制機

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E-767は日本が導入した最新の早期警戒管制機です。

 

あまり知られていない早期警戒機の詳細や、E-767の特徴、そして導入された経緯を詳しく紹介します。

早期警戒機とは

早期警戒機とは、上空で敵機を監視するレーダーを搭載した航空機のことです。

 

早期警戒機は、レーダーを搭載しただけの早期警戒機と、管制能力や指揮能力も持つ早期警戒管制機の2種類があります。

 

地上にレーダーが多数配備されているのにも関わず、なぜ早期警戒機を飛ばし、上空からわざわざ監視する必要があるのでしょうか。

 

早期警戒機が開発された経緯がその謎を解き明かします。

 

 

時は冷戦時代の1976年9月6日、日本、とりわけ自衛隊を震撼させる事件が発生します。

 

ベレンコ中尉亡命事件です。

 

この日、日本は地上に設置された上空監視レーダーがロシア方面から飛来する不審な航空機を探知します。

 

すぐさま当時最新鋭の戦闘機F4がスクランブル発進。ロシアのMiG25戦闘機との接触を試みます。

 

しかし、いったんは探知したレーダーからMiG25が消え、F4戦闘機のレーダーからもMiG25が姿を消してしまいます。

 

MiG25はそのまままっすぐ日本に向かい超低空を飛行し、航空自衛隊に発見されないまま北海道の函館市内を数回旋回。函館空港に着陸を許します。

 

この事件はロシア軍人個人の亡命目的だったことが幸いし、日本に被害が出ることはありませんでしたが、もし攻撃目的で戦闘機が飛来した場合、日本は何も対処できずに領空侵犯を許したことになります。

 

この事件は、レーダー網のあり方を根本から考え直す必要がある事態として緊急の事案になったわけです。

 

露呈した弱点は、地上監視レーダーは低空で侵入する航空機を探知できないということ。また、当時最新鋭だった戦闘機も探知不能であるということです。

 

地上レーダーは規模の制限がなく、巨大な装置で超長距離まで探知可能ですが、レーダーは直線的な監視しかできないという問題があります。

 

要するに、高高度を飛行する戦闘機を遠距離まで探知できても、水平線の向こう側まではレーダーが届かないというわけ。

 

ご存知のとおり地球は丸く、地平線は意外に「近い」のです。

 

例えば私たちが見ている地平線は約4.5kmです。
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もし、超高性能で500kmの探知距離を持つレーダーを高さ160センチの位置に配備してしまうと、その探知距離はわずか4.5kmというわけ。

 

よって、地上のレーダーはより高い位置に設置されているのが通常です。

 

レーダーの位置が高くなれば高くなるほど、水平線の距離は遠くなり、より遠くまで探知可能になるのです。

 

言い換えると、地上にいくら高性能なレーダーを配備しても、水平線の向こう側は探知できないのです。

 

ベレンコ中尉亡命事件において、低空で侵入する戦闘機を探知できなかったのはこのためです。

 

ではなぜ最新のF4戦闘機を飛ばしても、MiG25を発見できなかったのでしょうか。

 

レーダーのもう一つの弱点は、地上や海面付近ではレーダーが乱反射し、解像度が急激に低下する問題があります。

 

解像度の低下を防ぐためには、レーダーの出力を上げますが、戦闘機に搭載できるレーダーの出力には上限があります。

 

特に、F4に搭載されたレーダーは地上付近を探知する能力が低いことが露呈してしまったのです。

 

低空から侵入する敵戦闘機や巡航ミサイルを探知するには、高高度から、かつ地上付近でも解像度が高い高性能なレーダーを配備する必要があるのです。

 

この事件がきっかけとなり、日本は最新の早期警戒管制機E-767を4機導入したのです。

E-767の特徴

E-767は中型旅客機のボーイング767をベースに、当時アメリカが開発した最新のE-3 セントリーのシステムをそのまま移植した最新の早期警戒管制機です。

 

1機あたり約550憶円、計2200憶円を掛けて4機調達しています。

 

レーダーの探知距離は公表されていませんが、3機で日本周辺全域を探知できるほど強力なレーダーを搭載しているとされています。

 

周辺国との緊張が高まると、この早期警戒管制機を飛ばし、日本周辺の空域全域を常に監視します。

 

E-767には管制、指揮能力も備わっており、直接空軍機を指揮し、敵戦闘機を迎撃します。

早期警戒機は制空のための必須装備

早期警戒機は非常に地味ですが、戦闘機の任務、とりわけ制空任務には必須の装備となっています。

 

実際に、アメリカが保有する空母打撃群には必ず早期警戒機が搭載されます。

 

アメリカ空母と強襲揚陸艦に搭載される艦載機のすべてで紹介していますが、早期警戒機E-2Cを5機搭載し、常に空母打撃群周辺の空域を監視しています。
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空母打撃群には常にイージス艦3隻が空母を護衛しています。

 

3隻のイージス艦は、弾道ミサイルにも対処できる、強力なレーダーを搭載しているにも関わらず、早期警戒機を空母に搭載している理由はまさに先ほど紹介した通りです。低空で侵入する戦闘機や巡航ミサイルはイージス艦から見て水平線の向こう側にいるため探知できないということです。

 

イージス艦のレーダー探知距離は1000km近くにもなりますが、海上付近、水平線の向こう側は早期警戒機が担当しているというわけ。

 

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現代の戦争や争いでは、必ず早期警戒機が上空を監視、戦闘機の行動を支援しています。

 

今後、第六世代戦闘機の登場や、レーダー機能も搭載する最新の無人給油機MQ-25スティングレイの登場で、各機体が搭載するレーダーをすべてリンクさせる技術が開発されています。

 

今までは、各機体がそれぞれ個別に判断していた情報がすべて統合され、より高度な情報戦になることが予想されます。

 

早期警戒機の今後の在り方や、各種航空機、とりわけソフトウエア面での進歩からも目が離せません。



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