どのように潜水艦を撃沈するのか | 対潜戦の詳細

どのように潜水艦を撃沈するのか | 対潜戦の詳細

海の忍者潜水艦

対潜戦,潜水艦,攻撃,撃沈
深い海に潜り、一撃で船を沈める驚異の潜水艦。

 

現代戦において、制海権のカギは潜水艦が握っています。

 

潜水艦がいると思われる海域には輸送船はもちろん、駆逐艦や空母すら近づくことはできません。

 

そんな潜水艦を撃沈する、対潜戦について詳しく紹介します。

潜水艦が厄介な理由

潜水艦の発見が難しい理由、それは電波が届かない海中に潜っているためです。

 

空の安全を守るレーダー。

 

先進国は、領土上空、領空、そして領空の外側までレーダー網を張り巡らし、常に空を監視しています。

 

様々な周波数の電波を発信し、電波の反射をとらえて敵機が知数いていることを探知しています。

 

例えば、日本の上空は、地上に設置されたレーダーが24時間休むことなく探知を続け、国籍不明機が入り込んでこないか監視しています。

 

また、地球が丸いため、低空は地上設置型レーダーでは監視できないため、日本だけが配備する早期警戒管制機E-767を飛ばし、上空から低空域を監視しています。

 

では、水中はどうでしょうか。

 

水中も同様にレーダー網を張り巡らせれば潜水艦を探知できるのではないかと思いますが、そうではありません。

 

海中は可視光線を含めた電波が届きにくく、周波数が高い電波は水深数メートルでさえ届きません。

 

なので、たとえ海中にレーダーを設置しても監視できるのは半径数メートルから数十メートルです。

 

よって、海中をレーダーで監視することは不可能です。

 

では、どうやって海中を監視するのでしょうか。

アクティブソナー

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※quotationWikipedia

それは音波です。

 

空気中の音が進む速度は秒速340メートルと非常に遅いですが、水中は秒速1500メートル、時速5400kmという猛スピードで進みます。

 

また、音の減衰が少なく、遥か遠い場所まで音が届きます。

 

例えば、鯨は鳴き声で連絡を取り合っていますが、その距離は500kmにもなります。

 

水中は音が届きやすいのです。

 

よって、潜水艦の探知は電波ではなく、音波を利用します。

 

 

第二次世界大戦後頃、潜水艦の探知方法は自ら音を発して跳ね返ってくる音を解析し、敵の潜水艦の位置を探る、アクティブソナー方式でした。

 

アクティブソナーのメリットは、敵が音を発していなくても、そこに物体があれば探知可能であることです。

 

物体が大きくなるほど反射する音も大きくなり、潜水艦を識別できます。

 

また、発する音の周波数を変えることで、遠距離の敵や近距離の敵など、様々な状況で詳細な探知が可能な点もメリットです。

 

ただ、デメリットもあります。お気づきの通り、自ら音を発するため、自らの位置も相手に探知されます。

 

アクティブソナーはもろ刃の剣というわけです。

 

また、遠距離の探知が苦手です。

 

音波は、周波数が低くなればなるほど遠距離まで探知できますが、周波数が低くなればなるほど、解像度が下がり、雑音が探知を困難にします。

パッシブソナー

そこで、パッシブソナーが開発されます。

 

パッシブソナーは、自ら音を出すのではなく、周囲の音を拾いながら潜水艦を探知します。

 

音を出さないことから、自分の位置が相手にばれることなく敵を探知できます。

 

また、潜水艦が発する音は大きいため、遠距離まで探知が可能です。

 

ただし、パッシブソナーには探知技術がそのまま探知精度に反映されます。

 

どういうことでしょうか。

 

海中は音であふれています。

 

船が発する音、海流の音、鯨やイルカなどが発する音など、要するに雑音が多いのです。

 

多くの雑音の中から潜水艦の音を識別する必要があります。

 

また、音波は地形の形状や水温によって大きく変化します。

 

複雑な条件の中で、潜水艦をピンポイントに探知し、位置を探るには相当の技術が必要です。

 

よって、現代の潜水艦探知は、様々な分野の技術が使われいます。

 

代表的なのが、海洋調査。

 

よく、中国が無断で日本周辺を海洋調査し問題になりますが、まさにそれです。

 

海洋調査は、海底の地形図や海流の流れをデータとして保存します。

 

そのデータをもとに、アクティブソナーの情報を統合し、敵潜水艦を探知します。

 

また、平時に敵の潜水艦の音を調査し、潜水艦と雑音を見分けられるよう、常に情報収集しています。

 

パッシブソナー技術は、やはりアメリカが圧倒的に先行しています。

 

1980年に行われたリムパック80では、すでにアメリカはパッシブソナーをシステムに統合していました。

 

日本も参加したリムパック80において、アメリカはパッシブソナーで日本の艦船を探知、接近し、攻撃に移る際にアクティブソナーに切り替えます。

 

アクティブソナーを受信した日本ですが、すでにアメリカの潜水艦がロックオンしており、実戦なら撃沈されていました。

 

要するに、日本はアメリカ潜水艦の接近に気づくことができず、潜水艦を探知した際にはすでに撃沈寸前だったことで、日本に衝撃を与えました。

潜水艦を撃沈する方法

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※quotationWikipedia

潜水艦の撃沈は次の手順で行われます。

 

アクティブソナーで敵潜水艦を探知。接近。パッシブソナーで正確な位置を割り出し、魚雷で撃破します。

 

アクティブソナーは潜水艦以外に、ヘリに搭載したブイや、駆逐艦のソナーが利用されます。

 

動きの速い潜水艦を追跡するため、主に対潜ヘリコプターが利用されます。

 

このように、ヘリからソナーを海中に垂らし、潜水艦の位置を探ります。
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※quotationWikipedia

 

潜水艦を探知すると、対潜ヘリや潜水艦で敵潜水艦を追跡。

 

水中発射型、あるいはミサイル式魚雷で潜水艦を撃沈します。

 

このように撃沈は単純ですが、ソナーを使っても潜水艦の探知は困難を極めます。

 

世界最強のアメリカの潜水艦探知を見てみます。

 

アメリカは、航空機探知のレーダー網と同様に、海中のソナー網である、SOSUSを構築。

 

自国周辺に近づく潜水艦や、敵国の潜水艦出航の情報をリアルタイムに監視しています。

 

また、SOSUSだけでは探知、追跡が不十分であるため、常に哨戒機や潜水艦で海中をパトロールしています。

 

最先端の海中ソナーを持つアメリカですが、それでも潜水艦の探知は不十分で、難しいものです。

 

そこでアメリカは、平時も常に敵の潜水艦を追跡し続けています。

 

まず、軍事衛星によって、潜水艦が港に停泊している状態から監視を続け、潜水艦の出航を監視しています。

 

潜水艦が動き出すと、SOSUSや攻撃潜水艦で位置を探り続けているのです。

日本と中国の潜水艦能力

日本は海に囲まれた国という条件に加え、軍事兵器の動力である原油、そして食糧の多くを輸入しています。

 

そして輸入路は海路です。

 

よって、敵がまず狙ってくるのは、海上輸送路なので、日本の安全確保には、制海権を維持することが最重要になってきます。

 

日本は制海権を確実に保つため、最新の潜水艦を多数導入、また潜水艦探知のための哨戒機やヘリ空母を配備し、常に対潜訓練を行っています。

 

このような条件のため、日本の対潜能力は世界トップレベルともいわれており、海外の機雷除去の依頼が日本に来ることも多々あります。

 

しかし、近年、中国の成長によって制海権維持が難しくなり始めています。

 

中国は、最新潜水艦を驚異的なペースで造船。

 

アメリカに匹敵する技術力、情報力で日本周辺の海洋調査は完了。詳細な海底図を手に入れたとされています。

 

このことから、中国の潜水艦は日本周辺を自由に航行できるといわれ、実際にひと昔には超えられなった第一列島戦を中国の潜水艦が超え活発に活動しています。

 

さらに、海中を高速で移動できる原子力潜水艦も最新鋭の世代を開発しており、有利だった対潜能力も、力は中国に傾きつつあります。

 

現在、日本の潜水艦探知はアメリカと深い協力関係にあると考えらていますが、中国はすでに第一列島線を突破。

 

第二列島線内に中国軍を抑え込むため、アメリカは太平洋に戦力を集中させつつあります。

 

列島線については中国の空母と空母打撃群 | 世界第2位の軍事力に詳しく紹介しています。

 

日本の5倍、25兆円を軍事に注げる中国経済。今後の動向に注意です。



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