通常動力で最強の潜水艦そうりゅうの実力と嘘と本当

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最強の潜水艦そうりゅう

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海上自衛隊の中で主力艦艇として活躍する潜水艦。そのなかでも最新の潜水艦そうりゅう型は通常動力で世界最強といわれています。
いったいどれほど強いのか、そして中国海軍に対してどれほどの防衛力を持っているのかに迫ります。


そうりゅう型潜水艦

そうりゅう型潜水艦は2004年から海上自衛隊が取得を開始した最新の潜水艦です。

 

まずは、そうりゅうの特徴を見てみましょう。

 

最も特徴的なのはAPIと呼ばれる非大気依存推進システムで、その名の通り十分な酸素が無い海中でもエンジンを稼働できるシステムです。

 

通常エンジンは燃料を燃やすために大気中の空気を取り込みながら燃焼させますが、海中では空気が無く長時間潜航し続けることは出来ませんでした。

 

そうりゅうは酸素を搭載し、空気に頼ることなくエンジンを稼働し続ける技術を採用しました。

 

この技術によって、潜水艦を浮上させることなく長期間海中で活動できるようになりました。

 

そうりゅうの限界深度は?

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潜水艦で最も興味がある一つに、どれだけ深く潜ることができるかという、限界深度があります。

 

世界最強の潜水艦シーウルフはどれほど強いかでも紹介しましたが、世界最強の潜水艦であるシーウルフはHY100を採用し、限界深度は610メートルを超えるといわれています。

 

一方、海上自衛隊が誇るそうりゅうはNS110という鋼材を使用しており、外壁単体で見るとシーウルフよりも強度が高い材料を使用しています。

 

限界深度は、外壁の素材の他に外壁の厚さや船体構造によって大きく異なるため、某サイトでささやかれているような圧倒的深く潜れると断言はできませんが、最先端材料を採用しているため、限界深度を求めていることも考えられます。

そうりゅうの問題点

そうりゅうを紹介するページでは「世界最強だ!」と絶賛する記事が多いですが、そうりゅうに問題点はないのでしょうか。

 

まず、エンジンですが、APIの弱点は出力が非常に弱いということです。

 

水上航行の際には、V型12気筒の高速4ストローク機関である川崎重工業12V25/25SBエンジンを稼働させ、高速力を発揮しますが、APIのみで長期間水中行動を実施する際には5ノット程度の速度しか出ないといわれています。

 

よって、超深海を高速で移動することは出来ず、秘匿性能としては圧倒的に原子力潜水艦に軍配が上がります。

 

 

また、限界深度に関して前項でも述べましたが、根拠のない情報が多いため、整理しようと思います。

 

そうりゅうはNS110という鋼材を使用しており1000mは潜ることができるという記述がほとんどですが、まったく根拠のないデータであり、限界深度は不明です。

 

材料そのものの強度はデータから分かりますが、材料の厚さや船体構造などの要素で限界深度が大きく異なります。

 

また、そうりゅうに搭載される魚雷89式魚雷の最高深度が900mであることを根拠にそうりゅうの最高深度を考察する記事も見られますが、魚雷と船体は全く別物です。

 

深度200メートルで放った魚雷が600メートルまで潜ることもあるでしょうし、その逆もあるでしょう。よって魚雷を根拠にそうりゅうの深度を考察することは全く持ってナンセンスです。

 

さらに、そうりゅうが最強という理由を述べるサイトの多くが、限界深度と魚雷深度が深く、他国の潜水艦では攻撃できない深い海からそうりゅが攻撃できるので最強だと述べていますが、これも疑問ですね。

 

そもそも海上自衛隊の潜水艦が最も活動する東シナ海は水深200メートル以下の浅い海域であり、そうりゅうの深度性能はオーバー性能です。

 

また、深く潜り、敵国の潜水艦が近づいたときに音もなく魚雷で攻撃するなんて語りだしたら、それは単なる機雷ですね。

 

海上自衛隊のそうりゅうと中国潜水艦のVSで、中国潜水艦を馬鹿にする記事が多いですが、その根拠に上記の理由が用いられます。

 

しかしながら、中国海軍の潜水艦の性能は確実に向上しており、中国の圧倒的な軍事費を武器に、潜水艦単艦の実力差はなくなってきているといってよいでしょう。

 

さらに建造速度は圧倒的に中国に分があり、海上自衛隊は強大な中国軍を前に少ない軍事予算から一生懸命潜水艦予算をひねり出している状況です。

 

現代の潜水艦戦は情報戦

以上より、そうりゅうが世界最先端の技術で造られているのは間違いないですが、世界最強かどうかに関しては不明であり、その可能性は高くありません。

 

他方、現代の戦争、特に対潜水艦戦においては情報戦です。

 

潜水艦の追尾は港出航から行われ、敵潜水艦の出航から寄港まで見失うことは敗戦を意味します。

 

海の忍者といわれる潜水艦の位置をどれだけ把握できるかが戦況を左右し、そのためにはセンサーが重要になってくるのです。

 

 

現在、海中戦の開発は無人潜水艦にシフトしています。

 

巨大潜水艦を1隻作るよりも、安価で小回りが利き、発見されづらい小型無人艇をセンサーとして稼働させ、敵潜水艦の秘匿性を無効にすることが求められています。

 

そうりゅうは確かに最先端の潜水艦でありますが、アメリカ海軍を驚かせたとか、中国潜水艦なんて一瞬でつぶせるなんていう記事が出てくるは驚きですね。

 

世界最強は間違いなくシーウルフですし、少ないデータから自国潜水艦を過剰評価することは、きわめて危険なのではないでしょうか。



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