アメリカVS中国の戦闘においてよくある間違った認識

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アメリカと中国の軍事力の差

アメリカ,中国,軍事力
まず、前置きとして、アメリカの軍事力は中国と比較するまでもなく、アメリカ軍は最強です。

 

詳しくは中国軍の実力とは〜アメリカ、中国、日本の海軍力〜航空自衛隊と中国空軍の徹底比較〜アメリカについていけるのか〜に目を通して頂きたいが、軍事費と経験から考えてアメリカ軍が中国軍を恐れる理由は全くないということです。

 

しかし、中国の軍事力はますます増強され、アジアではすでに圧倒的パワーを持っています。

 

このまま中国の成長が続き、アメリカ軍を上回る日が来るのでしょうか。

軍事費と戦争経験

アメリカ,中国,軍事力
まず、軍の実力比較で重要なのが、軍事費と過去の戦争経験です。

 

当然ですが、軍事費が多ければ多いほど軍隊のパワーは強くなります。

 

しかし、単純に軍事費比較だけで軍事力を語ってはいけない理由が2つあります。

 

1つは物価の差です。

 

例えば、中国とアメリカを比較した場合、中国の年間軍事費が20兆円以上、アメリカが70兆円以上となり、圧倒的にアメリカに軍配が上がります。

 

しかし、各国の軍事費に物価の差は考慮されていません。

 

中国の物価や人件費は年々上昇しているとはいえ、まだまだ物価も人件費もアメリカに比べれば非常に安いのが現状です。

 

よって、金額を投入しても得られる技術や物資に差が出ます。

 

例えば、アメリカが純国産のミサイルを100億円で調達したとします。

 

一方中国は50億円で調達したとします。

 

この場合、単純に軍事費の比較では、アメリカが「2倍強い」ことになりますが、中国は物価と人件費が安く、アメリカと同等の性能のミサイルを安く手に入れることができます。

 

なので、アメリカの軍事費が多いからといって、それに比例して軍事力が上がるとは言えません。

 

 

もう一つの理由は経験です。

 

アメリカ軍は百戦錬磨の軍事国家であり、世界中の戦争・紛争に介入し、戦闘経験が豊富です。

 

ありとあらゆる状況を経験し、その経験を基に武器や戦略を開発しており、まさに実戦で使える軍隊になっています。

 

よって、例えば来年度の軍事予算が、アメリカと中国が同額になったとしても、アメリカの軍事力の優位性は揺らぐことはありません。

 

 

軍の強さを比較するにあたって、軍事費と戦争経験は非常に重要な考察の一つなのです。

 

 

特に軍に必要なのは、過去の経験であり、経験の差が軍事力の差を生み出す決定的な要因になります。

 

自衛隊は世界屈指の実力を持つ組織ですが、多くの技術や戦略はアメリカが開発しているものです。

 

日本単独で開発するには、あまりにも実戦経験が少なすぎるためです。

中国脅威論とアメリカ優位論の無意味

アメリカ,中国,軍事力
アメリカ軍と中国軍を議論するうえで、最近はアメリカと中国の優性、劣勢をさまざまな角度から議論しているブログが多く見られます。

また、意見に反対する記事やさらにその記事に議論する記事など、非常に盛り上がりを見せていますね。

しかし、そもそも比較の視点や骨格がずれてしまっている記事も散見されます。


例えば、中国脅威論を反論する記事をよく目にします。

アメリカ軍の報告書によると、中国近隣にある、在日アメリカ軍基地やその周辺のアメリカ軍の基地が開戦と同時に叩かれる。

また、オーストラリアからF35が空中給油を繰り替えし、中国を攻撃しても、物理的な距離や物資の量からアメリカは中国に勝てない。

F15やF16はステルス性能が無く、中国に侵入できない。

これは間違っている。

そもそもアメリカは中国近隣のアメリカ基地への攻撃をボーっと眺めているわけなどない。

アメリカも巡航ミサイルの嵐で中国を叩く。

F35のステルス性能は中国のj20やj31を上回っている。

アメリカが中国に侵入できないと同様に、中国がアメリカや日本へ侵入できないのと同じだ。

ミサイル防空能力はアメリカの方が高く、中国は低い。

この記事に目を通してどのように感じるでしょうか。

なるほど、アメリカはやっぱり最強だと思うでしょうか。


結論から述べると、この記事は議論の土俵にすら上がることが出来ないような内容になっています。

理由は、論点や比較の対象が交錯し、現状をまったく把握しない内容となっているためです。


始めに述べておきましょう。

アメリカ軍が圧倒的な軍事力を持っており、中国と戦った場合、中国はアメリカの足元にも及ばないことは事実です。

これは中国も認めており、中国軍はアメリカ軍を上回り、世界を支配しようとは決して思っていません。


しかし、中国脅威論が間違っているというのもナンセンスです。

どういうことかというと、脅威論というのは、アメリカから見た脅威と中国から見た脅威は全く異なるということです。



中国から見たアメリカ脅威論の究極は、アメリカ軍に本土に上陸され、支配されることにあります。

よって、中国軍はアメリカ軍を近づけないための接近阻止の戦略が最優先です。

台湾有事など、アメリカ軍を近づけさせないための軍事力強化です。


一方、アメリカの脅威論は決して自国を中国に侵略されることが主眼ではありません。

アメリカと中国が戦って、アメリカ本土に中国軍が侵攻されることはありません。

純粋にアメリカVS中国では、中国に勝ち目はありませんし、今後もこの状況は簡単には変わりません。


先ほどの記事では、驚異の主眼がずれてしまっているということです。


もう少し詳しく見てみましょう。

先ほどの記事にあった、「中国は、日本周辺のアメリカ基地を一瞬で廃墟にすることを、アメリカがぼーっと見ているはずはない。そんなことは起こりえない。」とい内容です。

実はこれは現実に起こり得ます。

実際、中国に配備されている弾道ミサイルや巡航ミサイルの数は膨大で、その多くは中国周辺のアメリカ軍基地や日本の主要基地に向けられています。

いくらミサイル防衛が進んだとしても、数が多すぎてこれを防ぐことは出来ません。

中国は本土からミサイルを発射し、アメリカは、本土からはるばる離れた基地を防衛しなくてはならず、地理的に圧倒的に不利な状況です。

実際に、アメリカ軍は有事の際には、中国周辺の基地はすべて使用不可能になると想定し、爆撃機や対中国向けの兵器はハワイやオーストラリアなど遠方においています。


この事実を否定する意見もあります。


アメリカ軍の予算捻出のために、中国の脅威を大きく見せている。アメリカ軍は最強だから負けるはずがない。この報告書はおかしいと。


この否定意見ほどナンセンスなものはなく、先に述べた、議論の柱がずれてしまっていると言わざるをえません。

繰り返しになりますが、アメリカ軍は最強ですが、中国から見た脅威と、アメリカから見た脅威は全く異なります。

アメリカは最強で、中国軍に負けることはありませんが、日本周辺にあるアメリカの基地は潰されます。

基地を潰されることで、アメリカ軍が中国に関与しづらくなります。

中国に対して軍事的圧力をかけられないことはアメリカの敗北を意味し、中国によるアメリカ侵略を脅威としているわけではありません。



中国からアメリカを見た脅威論はアメリカに侵略されることであり、アメリカから見た中国脅威論は中国の軍事行動の自由度が増すことです。



よって、もしアメリカと中国が戦えば、早期に日本周辺のアメリカ軍基地は潰されることは事実です。

当然この事実をペンタゴンは想定していて、その対策に予算を回すよう働きかけます。

報告書に嘘はありません。

アメリカVS中国の本当の決着は何なのか?

アメリカ,中国,軍事力
ではアメリカVS中国のシミュレーションの決着はどこにあるのでしょうか。

 

結論から述べると、アメリカ軍の力が中国周辺に及ばなくなったら中国の勝ち、それ以外はアメリカの勝ちです。

 

中国は、中国周辺においてアメリカが自由に行動できなくさせるための接近阻止と、その接近阻止のエリア拡大を進めており、アメリカはこの接近阻止エリアの縮小か、若しくは拡大を防ぐことを目的にしています。

 

この目的が達成されそうにない場合に中国脅威論が盛り上がり、そして、その脅威論が事実になろうとしているのです。

 

 

現在、中国は人工島の建設や対艦弾道ミサイル、ステルス戦闘機開発、空母打撃群配備など、確実にその行動範囲を広げようとしています。

 

一方アメリカは、B21の開発、F22、F35の第5世代制空戦闘機の配備、KC46A給油機の開発を急ピッチで進め、中国軍が活動できる範囲を狭めようとしています。

 

 

アメリカVS中国で語るべきは、ここで述べる軍事的優位性であり、アメリカの総力戦ではないことを基礎知識に持たなければ、ナンセンスな議論になるということが結論ですね。






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