SR72はマッハ6以上の最新無人偵察機(SR71ブラックバード後継機)

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最新軍事偵察機SR72

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ロッキードマーティンが開発した偵察機、SR71ブラックバードの後継機となる、SR72をアメリカ軍が開発しています。

 

高高度を高速で飛行し、領空に侵入しても撃墜が不可能な偵察機の詳細に迫ります。

偵察機の役割

偵察機の歴史は古く、18世紀にはすでに軍事目的で偵察機が運用されていました。

 

目的は戦略、戦術立案用の情報収集です。

 

敵地上空に侵入し、戦線の状況をリアルタイムに把握するために、各国の軍隊は常に最新の軍事偵察機の開発を続けています。

 

現代の軍における偵察機のタイプは大きく分けて2タイプあります。

 

一つは無人機。低空を比較的ゆっくりと飛行し、敵の動向を探ります。有名な無人偵察機には、RQ-4 グローバルホークがあります。

 

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※quotationWikipedia

RQ-4 グローバルホークは独特の形状をしており、前部の盛り上がった機体の中には情報収集のためのセンサーや、データ送信用の機材が詰まっています。

 

機体のサイズのわりに巨大な翼を備えており、低空をゆっくり飛行しながら偵察する設計になっています。

 

RQ-4 グローバルホークは無人機であり、万が一撃墜されても人的被害が出ることはありません。ただ、飛行速度が遅く、容易に撃墜されるため、防空能力が低い国や紛争地域に投入されます。

 

 

もう一つは、有人偵察機です。最も有名なのがSR71、通称ブラックバードと呼ばれています。

 

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※quotationWikipedia

マッハ3を超えるスピードで、高度26000mという通常の航空機では到達できない高度を飛行します。

 

ブラックバード開発のきっかけは、ソ連によるU-2撃墜事件です。1960年代、当時最新のU-2偵察機を使用し、ソ連上空で偵察活動を行っていたところ、ソ連の地対空ミサイルによって撃墜されました。

 

また、キューバ危機において、キューバに持ち込まれる核ミサイルの偵察を行っていたU-2偵察機が撃墜され、全面核戦争が勃発する危機になったことでも有名です。

 

 

 

偵察は戦時以外に、平時に行われることが多く、敵の対空迎撃能力を超える偵察機の開発が急務だったのです。

 

そしてSR71ブラックバードが誕生します。

 

ソ連の対空ミサイルでは撃墜不可能な高度・速度で飛行し、パイロットの命を守る最新の偵察機だったのです。

 

このブラックバードの形状は非常に特殊です。

 

最も特徴的なのが、機体の隙間。

 

ブラックバードの最高速度はマッハ3に匹敵し、機体が300℃、場所によっては700℃に達する部分があるため、チタン製となっています。

 

表面温度が上がる理由は、空気の摩擦熱ではありません。高速で飛行することで、機体に接触する部分の空気が急激に圧縮されることによる、断熱過熱が原因です。

 

断熱過熱はエアコンや冷蔵庫、車のエアコンと同じ仕組みです。空気を圧縮すると、莫大な熱が生まれるのです。

 

更に問題があります。機体全体をチタンで多い、熱から守ったとしても、チタンが熱で膨張するため、機体に隙間を作らなくてはいけません。

 

電車の線路の継ぎ目に隙間が空いているのと同じ原理です。

 

機体が冷えているとき、要するにブラックバードが地上にいる間は、隙間から燃料が漏れ出てしまうため、離陸直前に燃料を注入するという、非常に手間がかかる偵察機なのです。

 

 

それから時が経ち、対空ミサイルの性能が向上し、SR71ブラックバードといえども撃墜されるリスクが出てきました。

 

また、偵察衛星の発達により、わざわざ高額の費用を掛け、危険を冒して敵の上空を飛ぶ必要がなくなり、ブラックバードは退役することになります。

 

ではなぜブラックバードの後継機SR72の開発をアメリカは続けるのでしょうか。

SR72

SR72の特徴はエンジンと機体です。

 

まずエンジン。

 

SR72はブラックバード同じ高度25000m前後をマッハ6で飛行します。

 

マッハ6は音速の6倍、1秒間に2qも進むことができます。東京と大阪の直線距離が約400qなので、SR72なら僅か20秒で到達します。

 

ちなみに、旅客機はマッハ0.66、最新のステルス戦闘機F22はマッハ2.5なので、とてつもなく高速であることがわかります。

 

マッハ6まで加速するには、通常のジェットエンジンでは不可能なので、特殊なエンジンを搭載します。

 

当初、SR72のエンジンは、スクラムジェットエンジンの搭載が予定されていました。

 

スクラムジェットエンジンとは、侵入してきた空気そのものにジェット燃料を混合し後ろに放出するエンジンです。

 

一般的なジェットエンジンは、空気を圧縮した後、ジェット燃料と混合しますが、マッハ5を超える速度では、エンジンに流入する空気の速度そのものを利用し圧縮できるため、圧縮用のタービンが不要なのです。

 

しかし、スクラムジェットエンジンが利用できるのは、マッハ5以上であり、通常のジェットエンジンで加速できる速度の上限を超えているため採用が見送られました。

 

そこで、SR72には、ラムジェットエンジンとジェットエンジンのハイブリットエンジンが搭載されます。

 

停止状態からマッハ2付近までは、タービンを稼働させジェットエンジンとして利用しますが、マッハ2を超えるとラムジェット方式に切り替わります。

 

スクラムジェットエンジンとラムジェットエンジンの違いは、空気をコントロールするスパイクがあるか無いかの違いです。

 

スクラムジェットエンジンは、流入する空気を細い管を通すことだけで十分に圧縮できます。
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※quotationWikipedia

 

一方、マッハ2〜マッハ5付近では、十分に空気を圧縮できないため、後方にスパイクを設置し、流量をコントロールすることで空気を加速、圧縮させます。
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※quotationWikipedia

 

さらにマッハ5以上にする場合、スパイクを調整することで、スクラムジェットエンジンの性質に近づけることでSR72を超高速、高高度で飛ばすことが可能なのです。

 

アメリカ軍は2018年に、18mサイズの小型SR72を作成し、2023年までに試験飛行を予定しています。

 

そして、2030年までにブラックバードを超える30mサイズのSR72を実戦配備する計画が進んでいます。

 

 

マッハ6を超える偵察機のメリットは即応性とコントロール性です。

 

核ミサイル防衛の実態-日本は核を迎撃できるのか?で詳しく紹介していますが、アメリカ軍は軍事衛星を多数打ち上げ、世界中の国を常に監視しています。

 

しかし、アメリカの軍事衛星の数をもってしても、完全なリアルタイムで敵地を偵察するには不十分です。

 

偵察したい時間に常に偵察衛星が敵地上空を飛行しているとは限りません。

 

そこで、SR72を投入し、好きな時間に精密な偵察を可能にします。

 

また、SR72には攻撃能力を持たせることを計画しています。

 

ロシアや中国では、ステルス探知技術が向上しており、最新のステルスF22ですら撃墜される可能性が否定できなくなってきています。

 

そこで、レーダーに探知されようと、迎撃不可能な偵察攻撃機が重宝されるというわけです。



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