核ミサイル防衛の実態-日本は核を迎撃できるのか?

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ミサイル防衛

ミサイル防衛
ミサイル防衛とは、敵国から撃ち込まれる弾道ミサイルから国を守るシステムのことをいいます。

 

様々な種類のミサイルがありますが、特に核ミサイルの防衛について、日本とアメリカの核ミサイル防衛について詳しく紹介しましょう。

日本のミサイル防衛の現状

ミサイル防衛の流れを簡単に示すと次の通りです。

 

  • ミサイル発射の兆候の探知
  • ミサイル発射の探知
  • ミサイル追尾
  • 迎撃ミサイル発射
  • 破壊

 

兆候探知

 

ミサイル発射の兆候は、地上のミサイル基地の動きや、ミサイルを搬入する車両、燃料の注入状況など、地上を監視して行われます。

 

その際に利用されるのが、偵察衛星です。

 

現在日本では、光学衛星2機、レーダ衛星2機の4機体制で監視が行われています。

 

この4機はそれぞれ同じ軌道を時間をずらして飛行しており、同じ場所を1日一回撮影できる仕組みになっています。

 

しかし、敵国上空を通過する時間は調整できないため、リアルタイムでミサイルの状況を把握することはできません。

 

そこで、新たに光学、レーダー衛星それぞれ2機ずつ、計4機を追加で打ち上げ、8機中4機を臨機応変に軌道を変更することで、監視対象ポイントを重点的に偵察できる仕組みになる予定です。

発射の探知

現在日本はミサイルの発射を探知することは出来ません。

 

たった1時間で地球の裏側までいつでも攻撃できるミサイルを開発中で紹介した通り、ミサイル発射を探知できるのはアメリカとロシアだけとなっています。

 

日本は、アメリカの早期警戒衛星がミサイル発射を探知するとその情報が即座に伝えられ、迎撃の準備を取るようになっています。

 

ミサイル追尾

アメリカからの情報や、日本が導入するイージス艦が発射されたミサイルの軌道を割り出し、最適な迎撃ポイントを計算します。

 

迎撃

比較的上空ではイージス艦に搭載されるSM3ミサイル、そして、都市部はPAC3がミサイルを迎撃、破壊します。

 

 

以上がミサイル防衛の簡単な流れです。

 

ではこれで確実にミサイルを防衛できるのでしょうか。

 

実は、ミサイル防衛が進んでいる日本であっても、アメリカと比較するとまだまだ貧弱であることがわかってきます。

 

最強のミサイル防衛システムを持つアメリカはどのように敵の弾道ミサイルを迎撃するのでしょうか。

アメリカのミサイル防衛

流れは日本と同じですが、決定的な違いは、ミサイル防衛システムはアメリカが保有しているということです。

 

発射の兆候から迎撃までの情報をすべてアメリカが把握しているため、この防衛網を突破してミサイルを撃ち込むのは相当なハードルとなります。

 

発射の兆候

ミサイル防衛

※quotationWikipedia

アメリカは軍事用衛星を100機以上運用しています。

 

その目的はミサイル防衛以外にも、通信、妨害傍受、気象衛星、GPSなど様々です。

 

カーナビに利用されているGPSは、軍事用衛星の情報を借りているのは有名な話です。

 

発射の兆候をつかむ画像衛星を、アメリカは10機以上運営しており、その解像度は1p未満ともいわれています。

 

アメリカは、最新の偵察衛星を利用し、発射の兆候をつかみ、必要な情報を同盟国に伝えています。

 

発射の探知

ミサイル防衛

※quotationWikipedia

アメリカは、弾道ミサイル発射をリアルタイムで探知するために、SBIRS(宇宙配備赤外線システム)の計画を着々と進行させています。

 

SBIRSは、高軌道と低軌道の2種類に別れており、高軌道SBIRSは発射の探知、低軌道SBIRSはミサイル追尾の役割を持ちます。

 

高軌道SBIRSは静止軌道に4機、長楕円軌道に2機を運用しており、地球上のすべての弾道ミサイル発射を探知できるシステムを構築しています。

 

ミサイル追跡

ミサイル防衛

※quotationWikipedia

ミサイル追跡用として、低軌道SBIRSの衛星を20機以上打ち上げています。

 

高軌道SBIRSが発射を探知すると、低軌道SBIRSがミサイルを追い続け、進路を割り出します。

 

ミサイル追跡の情報はリアルタイムにアメリカ軍に送信され、迎撃に移ります。

 

迎撃

アメリカのミサイル迎撃は3段構えとなっています。(ミサイルが上昇中の破壊を除く)

 

1段階目は最も高い軌道で迎撃するのが、GMD(地上発射型ミッドコース防衛)です。

 

例えば、北朝鮮やロシアがアメリカを狙って核を発射する場合、距離が遠いため、ミサイルはかなりの高高度まで打ち上げられます。

 

よって、これを迎撃するためには、ICBMと同じくらい大規模なミサイルで迎え撃つということです。

 

現在、アメリカにはGBIはカリフォルニアとアラスカの2か所に設置されています。

 

ミサイルが巨大であるため、固定式のミサイルサイロに入っています。

 

防衛用ミサイルとしてはかなり巨大ですね↓
ミサイル防衛

※quotationWikipedia

GBIはミサイル防衛の迎撃ミサイルでは最も巨大なシステムなので、探知レーダも巨大です。

 

下のような海上配備Xバンドレーダーや、地上に設置されるXバンドレーダーがミサイルを追尾し、その探知距離は5000Kmにも及びます。

 

油田のようなミサイル基地が海を移動する姿には圧巻ですね。アメリカ軍の力を思い知らされます。
ミサイル防衛

※quotationWikipedia

 

GBIと同じく、宇宙空間でミサイルを迎撃するもう一つのシステムが海上発射型のミサイルです。

 

発射はご存知のイージス艦から行われます。

 

アメリカは、最強のイージス艦であるタイコンデロガ級巡洋艦が20隻以上、そして、アーレイ・バーク級駆逐艦は60隻近く運用しています。

 

海上自衛隊はアーレイ・バーク級駆逐艦を合計10隻を取得予定ですが、アメリカの保有数には圧巻です。

 

ちなみに、アメリカ海軍が保有する駆逐艦は、すべてイージス艦になっています。

 

イージス艦に搭載されるSM3というミサイルが、宇宙空間の弾道ミサイルを迎撃します。

 

 

ミサイル防衛

※quotationWikipedia

2段階目は韓国に配備するかどうかで話題になっているTHAADです。

 

射程は200q前後となっており、かなり広範囲を防衛することができます。

 

アメリカは、このTHAADをハワイやグアムなどの主要基地に多数配備し、GBIが迎撃に失敗してもTHAADが弾道ミサイルを迎撃します。

 

 

ミサイル防衛

※quotationWikipedia

三段階目は日本にも導入されているパトリオットPAC-3システム、通称PAC3です。

 

射程は20〜30qと小さいため、ミサイル防衛の最後の砦です。

 

GBIやTHAADが失敗したときの保険のようなシステムです。

 

PAC3は低高度で迎撃するため、たとえ迎撃に成功しても、放射能物質などの破片が周囲に降り注ぐことになります。

 

 

アメリカのミサイル防衛は、GBI、イージス艦、THAAD、PAC3など多段構えになっており、打たれたミサイルをすべて迎撃するようなシステムになっています。

 

一方、日本の場合、導入されているのはイージス艦とPAC3だけです。

 

万が一イージス艦が迎撃し損ねた場合、後は射程の狭いPAC3だけです。

 

PAC3は移動式になっているため、日本のどこでも移動可能ですが、いつ発射されて、どこに落ちるかわからないミサイルを迎撃するために、東京の中心部に重点的に配備されています。

 

よって、万が一、急にミサイルが発射され、その目標が名古屋だった場合、ミサイル防衛の頼みの綱はイージス艦だけということになります。

 

 

現在日本でもTHAADの導入が検討されていますが、ロシアや中国から強く反対されることは必至です。

 

現に、韓国はTHAADの導入で中国と揉めている状況です。

 

 

ミサイル防衛は、PAC3やイージス艦単独では何の役にも立ちません。

 

発射の探知、追尾、迎撃をすべて迅速に行わなくてはなりません。

 

現在、ミサイル防衛を「システム」として導入できているのはアメリカだけです。

 

探知、追尾、迎撃に関連するセンサー、ミサイル、運用をすべて連結してシステムとして稼働させているのはアメリカだけで、同盟国はその情報の一部を非リアルタイムに受け取っているということです。

 

日本のミサイル防衛の実態についてはミサイル防衛を持つのはアメリカだけ | 日本はミサイルを防げない?です。



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