空母維持費とジェラルド・R・フォード級空母のすべて

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ジェラルド・R・フォード級航空母艦

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アメリカ軍が開発を進めるジェラルド・R・フォード級航空母艦は、ニミッツ級航空母艦に替わる次世代の最新空母です。

 

空母は洋上の戦闘機発信基地としての役割を果たし、世界警察を謳うアメリカ軍の最重要ユニットです。

 

ご存知の通り空母は戦闘群を成し、陸海空すべてを制圧する戦闘ユニットとして世界中の海を航行、アメリカ合衆国としての政治カードの役割も持っています。

 

そんな最新鋭の空母の詳細と、空母の維持費について紹介します。


ジェラルドフォードの特徴

ジェラルドフォードの特徴は次の通りです。

 

A1B新型原子炉

ジェラルド・R・フォード級のために開発された最新の原子炉です。

 

ミニッツ急に搭載されている原子炉よりもかなり小型になっており、効率も向上しています。

 

ニミッツ級のA4W型原子炉の約3倍の電力を発生することができ、炉心のエネルギー密度が向上し、従来より小出力のポンプが利用できます。

 

これによって監視要員が従来の2/3で済むだけでなく、メンテナンス部分が劇的に少なくなっているのです。

 

電磁式カタパルト

リニアモーターの力で艦載機を射出する最新のカタパルトです。

 

ミニッツ級までに搭載されていたのは蒸気カタパルトですが、蒸気カタパルトは射出力の調整が難しく、原子炉で発生した蒸気を利用する技術が難しいためにコストが非常に高いというデメリットがありました。

 

  • 電磁式カタパルトは
  • 加速度を適切にコントロールし、艦細機に負荷をかけない
  • 加速度が大きく滑走距離を短く出来る
  • 蒸気式よりも軽量でコンパクトである
  • メンテナンス性能に優れる
  • 効率性が高く長寿命である
  • 配置性能に優れ、空間効率に優れる

 

の様なメリットがあり、急ピッチで開発がすすめられジェラルドフォードに搭載されます。

 

ちなみにジェラルドフォードの電磁式カタパルトとアメリカ軍が遊んでいる様子がこれです。

 

ニミッツ級比2倍の航空機兵器搭載能力

ミニッツ級に比較してジェラルドフォード級は2倍の航空機用の兵器を搭載できます。

 

理由は、原子炉の小型化、艦内配線の光ファイバーの採用、電磁式カタパルト採用などで、空間に余裕ができたことです。

 

ほかにも操縦人員が大幅に少なくなります。

 

ニミッツ級の操艦人員が3,200人であるのに対し、フォード級は2,180人と削減し、大幅な人件費削減を実現できるとしています。

 

人員削減ができる理由は上記で述べた通り、原子炉やカタパルト、さらにはコンピューターなどを最新のものを搭載し、空母の操艦をオートメーション化した結果です。

 

現在アメリカは10隻のミニッツ級空母をすべてジェラルドフォード級に入れ替えることを計画しており、実現すれば大幅にコストダウンできるとしています。

 

ジェラルドフォードのメリットはコストダウンだけではなく、ミニッツ級に比べ劇的に戦闘力がアップします。

 

ジェラルド・R・フォードの戦闘力

ミニッツ級と比較し、戦闘機の出撃回数が飛躍的にUPします。

 

時間当たりの出撃数は軍事機密のため正確な値は公表されませんが、1.5倍ほどの出撃回数になるといわれており、もともと最強の空母打撃群の戦闘力が大幅にアップします。

 

また、戦闘機が戦闘を終え、着艦する際の着艦システムも最新のものを採用しています。

 

現在、ミニッツ級では、写真のようなワイヤ4本を使った着艦システムを搭載しています。

 

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※quotationWikipedia

このワイヤを飛行機がひっかけて止まるのですが、現行システムは油圧を利用しており、ワイヤを掛けた瞬間に強烈な力が加わるため飛行機に負荷を与えていました。

 

最新の着艦システムでは、ワイヤの減速を油圧ではなく、電動ターボを採用することで、減速力を微調整させ、機体への負担を軽減しています。

 

 

 

さらに、ジェラルドフォード級を中心する空母打撃群は防御力も大幅にアップします。

 

ミニッツ級には装備されていない、自己防衛システムが搭載されるためです。

 

イージスシステムと同様の仕組みのフェイズドアレイレーダーがXバンドレーダーとして単距離、低空を探索します。

 

また、天候の影響を受けないSバンドレーダーがロングレンジ探索を担うデュアルバンドレーダーを搭載し、打撃群に侵入しようとする戦闘機を撃破します。

 

この最新レーダーは、中国やロシアが開発するステルス戦闘機にも対応するとみられ、完璧な防御を目指しています。

 

さらに、レーダーの制御にIBM製のスパーコンピューターを導入し、処理能力も大幅にアップします。

 

 

ジェラルド・R・フォードは現在考えられる様々な最新設備を導入していますが、今後50年間を超える運用を計画されており、アップグレードの容易性も考慮されています。

 

例えば、自由電子レーザー、 指向エネルギー兵器、ダイナミックアーマー、追跡システムが搭載可能なスペースと発電能力を持っています。

 

電子レーザーや指向エネルギー兵器は実用段階に入る最強のレーザー兵器のすべてに紹介している通り、レーザーや指向エネルギーによって、敵戦闘機を電子的、物理的に破壊する最新兵器です。

 

ダイナミックアーマーは船全体を強力な磁界によってバリアを張り、万が一ミサイルや爆薬が船に到達しても、爆発する前のガスを制御し、被害を最小限にとどめるものです。

 

すでに、米軍ではこの最新の防御兵器の開発に力を入れ、ジェラルド・R・フォードをスーパー空母にする計画に取り組んでいます。

 

 

ではこれら空母の維持費はいったいどれほど必要なのでしょうか。

空母の価格

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空母の建造費は1隻あたりミニッツ級約4000億円、ジェラルド・R・フォードは約1兆円となっています。

 

最新鋭の戦闘機F35は約100億円。海上自衛隊が誇る最新イージス艦が1隻1200億円。アメリカ軍ステルス爆撃機B2が1機2000億円と比べて分かるように、やはり船体が大きいこともあり建造費は高額ですね。

 

ちなみに米軍最新ステルス爆撃機B21レイダーの強さと技術に迫るでも紹介していますが、ステルス爆撃機が1機2000億円と超高額で、アメリカ軍はこのステルス爆撃機を21機保有しており、改めて米軍の強大さがわかります。

 

話がそれましたが、空母の建造費は約4000億〜1兆円です。

 

そして艦載機は全部で4000億円程必要です。

 

よって空母単体と艦載機だけでして考えてもざっと1兆4千億円必要です。

 

ちなみに海上自衛隊の1年間の予算は1兆3000億円です。すでに超えてしまいました。

 

 

さらに、空母単体の年間維持費は200億円かかります。
また、世界最強の米海軍の中でも中核を担う空母打撃群の戦闘力は?で紹介している通り、空母は空母打撃群という船団を組んで海上を高速で移動するため、空母以外にも随伴する防衛艦のコストもかかります。

 

空母打撃群全体の価格はどれほどでしょうか。

 

ミサイル巡洋艦 タイコンデロガ級 1隻 2000億円
ミサイル駆逐艦 アーレイ・バーク級 2隻 合計で2000億円
原子力潜水艦 ロサンゼルス級 1隻 1600億円

 

ミニッツ級空母には物資補給艦としてサプライ級が同伴していましたが、最新空母のジェラルドフォード級は巨大なスペースを利用して補給艦が不要になります。

 

これを踏まえて最新の空母戦闘群1ユニットを作戦機を含めて取得するには2兆円が必要です。

 

自衛隊の年間予算に超えてしまっています。

 

アメリカ海軍はこの空母打撃群を11ユニット持っており、20兆円近くの予算をかけて取得しています。


空母の維持費

空母は取得にお金がかかるだけでなく、維持費もまた莫大な金額が必要です。

 

空母戦闘群全体の1つ当たりの年間維持費は約400億円で10ユニットを維持するために年間4000億円のお金が必要です。

 

1つの空母打撃群を1日動かすには1億円以上必要です。

 

 

これほどのお金をかけてまでもアメリカ軍が空母を保有するということはそれなりのメリットがあるということですね。

 

空母打撃群はその強大な戦闘力から、単なる戦闘ユニットとして用いられるのではく、政治カードとして利用されます。

 

 

国家間でもめ事が発生すると、戦闘群が近くに接近し威圧します。

 

また、紛争が発生すれば実際にミサイルや艦載機で敵を叩きます。

 

 

話が再びそれましたが、空母は軍事費の中でもかなりコストがかかるユニットなのです。

 

米軍が進めている空母の総入れ替えによって維持費を削減しつつ戦闘力を劇的に高めようという動きが進んでおり、ジェラルド・R・フォード級航空母艦の1番艦が進水、就役を果たしました。

 

当初、ジェラルド・R・フォードの就役をもって、ミニッツ級を1つ退艦させる予定だったアメリカでしたが、トランプ大統領率いる新政権になり、ジェラルド・R・フォードを追加、さらに現在建設中の2つの空母打撃群の追加が決定しています。

 

よって、アメリカは最大で13隻の空母を保有し、13の空母打撃群を運用することを目標にしています。

 

1つの空母打撃群の取得費だけでも2兆円。これは海上自衛隊の年間予算を圧倒的に上回り、もはや、打撃群1つで先進国の軍事力に匹敵するパワーと権力を持っています。

 

 

ちなみに日本でもこのような空母打撃群を運用することは出来るのでしょうか。

 

もし空母打撃群を導入する場合、運用には最低3隻の空母と打撃群が必要です。

 

3ユニットというのは軍事における鉄則の数字であり、海上自衛隊でも導入されています。

 

海上自衛隊でもイージス艦やフリゲート艦、ヘリ空母などから構成された作戦群を3ユニット体制でローテンションさせています。

 

3ユニットのうち1つは臨戦態勢、もう一つは訓練体制(準戦闘態勢)、残り1つはメンテナンスと乗組員の休養です。

 

3ユニットをローテーションさせて初めて実践で使えるユニットになるのです。

 

 

よって、空母打撃群を取得するには最低3ユニットは必要で、取得費にして6兆円、年間維持費が1200億円必要です。

 

現在の海上自衛隊の予算から考えると無理がありますね。

 

ジェラルドフォードのすべて

 

アメリカが空母打撃群を増強している背景には、中国軍の急速な成長が要因です。

 

現在、日本周辺を航行する空母打撃群は1打撃群のみですが、近い将来、常に2〜3編成(2〜3か国の軍事力)を中国封じ込めに稼働させる可能性が高くなっています。

 

空母打撃群の戦闘力は世界最強の米海軍の中でも中核を担う空母打撃群の戦闘力は?で紹介しています。

 

また、アメリカの海軍がどれほど強いのか、そして中国と自衛隊ではどのくらいシーパワーに差があるのかは、写真で見る最強の海軍とその軍事力は?アメリカ・中国・日本を比較を見れば一目瞭然です。

中国軍の空母戦闘群と軍事力

近代化を進める中国は1隻の空母ヴァリャーグ(遼寧)を就役させています。

 

巷の掲示板では1隻では何もできないという中国たたきが盛んにおこなわれていますが、すでに中国軍は残り2隻の空母の就役が予定されており、つい先日、建設中2隻のうち1隻を進水させました。

 

実戦化に向け着々と準備が進んでいます。

 

また、中国版イージス艦である最新の052D型駆逐艦はわずか1年で4隻就役させるなど、猛烈なスピードで軍の近代化を進めています。

 

052D型は米軍のイージス艦に匹敵する防空能力を備えており、空母打撃群の防空中枢艦としての役割を得るでしょう。

 

さらに055型駆逐艦という次世代イージス艦も計画されており、全長175〜185m、排水量10,000〜12,000トンという巨大な巡洋艦クラスのミサイル艦が建造されようとしています。(海上自衛隊イージス艦のあたごは排水量7,700トン)

 

空母打撃群に欠かせない潜水艦の開発は謎に包まれていますが、中国軍は原子力攻撃潜水艦、通常動力攻撃潜水艦を同時に開発、就役させています。

 

 

近い将来、確実に中国は空母打撃群を常時運用可能な3ユニット以上就役させるため、アジアにおける軍事バランスに変化をもたらすのは必至ですね。

 

中国が3隻の空母を就役させれば、日本周辺海域には常に中国の空母打撃群がパトロールすることになり、確実に日本や周辺国に圧力をかけてきます。

 

この1打撃群に太鼓するために、アメリカは空母打撃群を増強し、圧倒的パワーを持つジェラルド・R・フォード打撃群を配備し始めているということです。



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